埼玉県杉戸町は、東京都心から電車で約1時間、埼玉県東部、千葉県との県境に位置する。江戸時代には日光街道の5番目、杉戸宿として栄え、寺社を中心に当時の面影を残す建物が点在する。歴史を感じる街歩きのほか、「道の駅アグリパークゆめすぎと」では農産物の収穫体験、町の東西両端に流れる大落古利根川(古利根川)でのスダンドアップパドル(SUP)体験などができる。街歩きや自然を感じられるアクティビティなど、健康的でゆったりとリラックスした1日を杉戸町で過ごしてはどうだろう。
日光街道の宿場町として400年以上の歴史がある「杉戸宿」
江戸期に整備された五街道の一つである日光街道(約142km)の宿場町として栄えた杉戸宿は、1616年(元和2年)に下位塾され、2016年に400周年を迎えた。杉戸の歴史をひも解くと、近世初頭の様子を描いたとされる「下総国絵図」や1619(元和5)年の須賀村検地帳写には「杉戸島」の記載がある。この杉戸島は現在の上杉戸付近を指すと考えられ、このあたりが元々杉戸の中心であったと伝えられている。
杉戸町内には旧日光街道沿いにある歴史を物語る史跡や昭和初期の建物(古民家)など杉戸宿の歴史やみどころが点在している。杉戸宿を感じられる名所としては、大名など貴人が休泊した本陣跡・脇本陣跡、幕府の命令や掟書きを掲示した高札場跡、人馬の継立や助郷差配などが行われた問屋場跡などがある。杉戸町では、杉戸宿の歴史が学べたり、杉戸の歴史や自然を感じられる街歩きマップ、杉戸宿街歩きポケットブックなどを発行している。
遊べる、食べる、体験できるを1度に「道の駅アグリパークゆめすぎと」
道の駅アグリパークゆめすぎとは、農業を通じて「人と人とのふれあいの場」を提供する農業公園。東京ドーム約2個分となる10.2ヘクタールの広大な敷地内には、農産物直売所や食堂あぐり亭、バーベキュー広場、農園など多彩な施設があり、「遊べる、・食べる・体験できる」を1日中楽しめる。
農産物直売所では、杉戸町が認証する「杉戸産農産物利用店(認定番号第001号)」として、杉戸産の新鮮野菜や加工品、杉戸町の商工品を中心に販売している。「埼玉県産農産物サポート店」として埼玉県に登録されている。食堂あぐり亭は、杉戸町から「杉戸産農産物利用店(認定番号第002号)」として認証を受けるほか、埼玉県から「特別栽培農産物利用店」として指定を受けている。杉戸産の野菜・埼玉県産特別栽培米・農産物直売所で販売している食材を中心に、ふるさとの味を提供している。このほか、カントリー農園では季節野菜の収穫体験、あぐりの花屋さんでは花苗から野菜苗、ブリザードフラワー、園芸資材の販売、カルチャー教室ではネオステンドアート教室や大人の塗り絵教室を行っている。
初心者から穏やかな川で楽しめる「古利根川SUP体験」
東武伊勢崎線東武動物公園から徒歩約5分に位置する古利根川ではSUP体験が楽しめる。SUPとは大きめのボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくウォーターアクティビティで、安定感のある大きめのボードを使用することで、バランスがとりやすく、すぐに立てるのが特徴。古利根川で活動する「古利根SUPクラブ」(運営はRADIX杉戸)では、約1時間で初心者からSUPが楽しめる体験ツアーを用意している。川沿いには閑静な住宅街、東武日光線の電車が走る高架線、東武動物公園駅に続く古川橋などがあり、杉戸町の方々の暮らしと自然の両方を感じながらSUP体験を楽しみたい。
地上に降りた天の川「古利根流灯」まつり
8月上旬の土日には例年、「古利根流灯まつり」が開かれる。古川橋から清地橋の間の約1kmに、畳一畳ほどの大きさの灯篭を川に250基ほど渓流。地上に降りた天の川のようにと例えられている。小型灯篭を川に流すほか、川の上で打ち上げ花火などのイベントが行われている。