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未知との遭遇、ノルウェーのオーロラに魅せられて

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 北緯69度40分58秒、ロシア領を除く北極圏最大の都市ノルウェーのトロムソ郊外の雪原で、深夜にオーロラが大爆発(ブレイクアップ)する瞬間に出合った。オーロラは、太陽から放出される電気を帯びた粒子を含む気体である太陽風が地球の強い磁気に引き付けられて地球の北と南の磁極に誘導されたのち、束になって地球上空の電離層に高速で突っ込む際に、大気中の粒子と激しい衝突を繰り返し大発光する現象。太陽風の粒子と電離層の粒子が衝突し合う場所が上空200キロ以上だと地上では赤く見え、100キロ位まで下がると緑色に見える。

サロモンセン氏が見たオーロラ(北極圏水族館)

 この現象は、北米、ロシア、北欧など北極圏域の各地で冬季に頻繁に観測されるが、神秘の光が突然、爆発するように広がり、暗闇の天空をオーロラで包み込むように大爆発(ブレイクアップ)する瞬間に出合うことは、極めて少ないと言われる。

宇宙の贈り物が緑の巨大な帯で半天を覆い尽くした

ノルウェー西海岸のトロムソで出合ったオーロラは、はじめは遠くの山並みの上に薄ぼんやりと星雲のように現れた。それは、いつまでもはっきりしないまま星空を漂い続け、やがて消えてしまった。

 これでおしまい? オーロラ再来に期待を込めて、待つこと半時間、突然、鮮明な緑色の入道雲のようなオーロラが沸き起こった。ワォー!とオーロラ・ツアーに参加した外国人たちが歓声を上げたのも束の間、今度は東の地平線から竹竿のように棒立ちになったオーロラがニョキッと突き出た。それは、みるみるうちに頭上まで伸び、半天を緑の巨大な帯で覆い尽くした。氷点下の大雪原にツアー客一同、時の経つのも忘れて立ちすくんだ。

全天を覆い始めた緑色のオーロラ 。寒さも時が経つのも忘れ、ただだた眺める

雪原の彼方のゆらゆらと襞を作りカーテン状に広がる

棒状の巨大オーロラが天空に屹立

 宇宙からやって来る光のショーは、まだ終わらない。再び、叫び声に気付いて、西方の雪原を振り返ると、超巨大なカーテン状のオーロラが目の前に垂れ下がっていた。縁を赤く染めた緑色のオーロラは、ゆらゆらと襞を作りながら天空を揺れ動き、北に向かって、カーテンの形状をさらに大きく広げた。ブレイクアップと呼ばれる、オーロラの大爆発する瞬間に出合ったのだ。

 オーロラ・ハンティングの参加者一同、願ってもない幸運に恵まれて心躍らせていると、「オーロラ・オーバル( オーロラが発生する北極圏の上空のリング状の帯域 )の中心に位置するトロムソでは、オーロラの大爆発が観測されるのは、決して珍しくないんですよ」と、現地のツアーガイドが語った。

 トロムソでは、シーズンになると街外れでもオーロラを観測できる。しかし、現地滞在の短いツーリストが宇宙の壮大なショーを堪能するには、オーロラ・ハンティングのツアーに加わるとよい。さらに確実で効果的なオーロラ観測が出来る。ツアー・バスはオーロラの出現情報をトロムソ測候所からリアルタイムでキャッチしながらオーロラの出現場所に次々に移動して、その夜、最も鮮明で最も大きなオーロラを捉えてくれる。

この地で暮らすサーミ人の設営するテントで休み、オーロラ出現をワクワクしながら待つ

期待大、2024年、2025年はオーロラが出現しやすい

 2024年と2025年は、太陽系の周期の関係により、地球上でオーロラが最も出現しやすい時期に当たると海外紙が報じている。今年、来年の北極圏への旅は、人生の旅歴の中で大きなハイライトを迎える。未知との遭遇、オーロラ大爆発(ブレイクアップ)との出合いに、大いに夢膨らませる方が多くなろう。(2015年現地取材及び2024年現地情報に基づく)

旅行作家  山田恒一郎(やまだ・こういちろう)

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