龍泉洞の母体の山「宇霊羅山(ウレイラ)」の紹介です。
「宇霊羅山」はアイヌ語で「いつも霧がかかる峰」という意味のようです。この地にもアイヌの方が住んでいたということになります。ほかにも、「安家(アッカ)」、意味は「きれいな水」という意味の場所もあります。
町民誰もが愛する山
さて、宇霊羅山ですが標高は600.5mで、岩手の20名山に数えられています。岩泉町民のシンボル。そのため、岩泉地区の小、中、高校の校歌や応援歌にも「ウレイラ」が登場します。このように、町民に愛されている山。車社会ではなかったころには元日の朝5時ごろから日の出を見るための登山をしたものです。
現在は県内外各地から、名前と山の風貌にひかれて大勢の登山客が訪れるようになりました。ただ、現在は登山ルートが一本。そして、登り口がわかりづらいとの声があります。
そこで、龍泉洞温泉ホテル横に我が家の山林があります。そこから宇霊羅山に登るルートを開設しました。このルートであれば、最短で登ることができます。登り口にしっかりとした目標物があることと、駐車場もあることから最適な環境整備ができるのではないかと考えています。また、龍泉洞温泉ホテルは入浴営業もしており、山から戻ってきたら汗を流すこともできます。
宇霊羅山への登山は往復で約2時間程度です。その途中にジオと関係があると思われる「方解石の塊」があり、頂上付近には縦穴もあります。そして、この竪穴の中にも方解石が光を当てるとキラキラと輝いてとてもきれいです。方解石は石灰の鍾乳洞の中に発達します。こういう所を見ながらであればもっと時間が必要ですし、地元の案内人が必要になります。
案内人の育成と新たな観光コンテンツ作り
案内人が職業として成り立つことができれば、新たな起業者が生まれるかもしれません。こういうことを考えると楽しくてなりません。
ウレイラのふもとには、「かような平」という場所があります。かつては牛の餌を採取していたために木もなく、小学生の遠足コースになっていたり、若者のデートコースにもなっていたようです。ここは、福島の「花見山」のような場所です。龍泉洞版「花見山」ができないか夢を見ています。新たなコンテンツ開発ですね。
さて、宇霊羅山の頂上からの眺めですが、岩泉の市街地が一望できとても気分が爽快になる場所です。また、かつては宇霊羅山の頂上から叫ぶと岩泉高校まで聞こえると言われていました。しかし、今は車の騒音等があり難しいと思われます。
頂上からの真下は龍泉洞ですので、「龍泉洞に向かって愛を叫ぶ」などのイベントも開催できたらと夢見ているところです。
(つづく)
これまでの寄稿は、こちらから(https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=22)
寄稿者 三田地久志(みたち・ひさし) 岩泉町議員