俺が死んだら、「島に散骨して欲しい」と家内に頼んだのに
俺より先に、妻を散骨しなければならない辛さ
人生の後半はこの島と二人で生きてきた
世界遺産などと途方もない夢に向かって、家内は経済的にも私を支えてくれた・・・
結婚の条件は「一緒の思ひ出が語れるから」である。
なれ初めは・・・
本来は私と家内は恋愛関係ではなかった(笑)。四角関係であった。三角ではなく四角・・・。
私が好きだった女性と家内が好きだった男性がいたけれど、二人の好きだった異性は、いつの間にか高校を卒業したあと、噂では結婚したのである。そして、私達は、お互いに失恋したのであるが、あるきっかけで同じ端島と私の妹の同級生であることから、不思議なめぐり合わせで、41年前に結婚したのである。
さまざまな出会いがあるが、出会いがどんな偶然であっても、「端島という同じ境遇」が長い時間夫婦として人生をともにした。端島の奇跡である。
こんなに愛した家内に感謝している。ならば、島の歴史と共にいつかは端島に2人ともに散骨してもらうのが最期の夢である。あの島の海で、また家内に逢えるなら本望である。それまでは限られた人生を彼女のために生きて行きたいものだ。
バレンタインデーに思う!
腰の痛みが最悪。することがありすぎて、辛いけれど、やらねばならない。けれど忘れてた。バレンタインの贈り物が届いた。毎年の嬉しいことだけれど、ありがたいな~。
「がんばってね」
「頑張るよ~」
10年前のバレンタインは入院中!?昼食に聖フランシスコ病院からのチョコレート、食事として、バレンタイン・・・。こんな俺らでも、毎年確実に2枚のチョコレートは確保できていた。夕方、病院を訪れた妻の手のひらにあったのは爪楊枝のケースであった。屈辱のバレンタイン・・・。翌年のバレンタインデーは、ハートのかんぼこ。違和感もあったが嬉しかった・・・。
さて、「今年はどんなバレンタインデー」と考えることもないな。10年経ってみたらジジババにとってはだだの2月14日でしかないだろうな。ただ、今年は家内からはもらえない。バレンタインが月命日だから・・・。
ことしはありがとう。裕美子さんも喜んでいるよ!
今日、2月14日は4ヶ月目の月命日である。14日は忘れられない日だよ。
(つづく)
これまでの寄稿は、こちらから(https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=21)
寄稿者 坂本道徳(さかもと・どうとく) NPO法人 軍艦島を世界遺産にする会 理事長