山形県との県境・宮城県加美町は、寒暖差の激しい内陸型気候です。豪雪地帯として知られています。また、古くから縄文時代の遺跡が数多く存在していました。それ故、陸奥国府・多賀城から出羽国に向かう要衝の地となりました。
ここ中新田交流センターは、地域の鳴瀬小学校が移転建設する際に旧校舎を宿泊施設として再出発したものです。コロニアルスタイルという建築意匠が、約50年間の歴史を語ってくれます。
(コロニアルスタイルとは、幕末・明治初期に外国人が建設した住宅様式。周囲にベランダを廻らせた西洋館が典型的なもので、強い日差しを避け通風をよくするために用いられた形式が起源)
町は、農業や教育、芸術、文化、スポーツなどのテーマを生涯学習拠点として、町内外の方々が集まることができる施設を目指しています。
そして、今日はこの場所で、尾崎亜美さんと一緒の時間を過ごすこととなります。
数多くの楽曲を提供するレジェンド
尾崎亜美さんは、シンガーである前にソングライターとして有名です。例えば、松田聖子さんの「天使のウインク」や杏里さんの「オリビアを聴きながら」、観月ありささんの「伝説の少女」などを世の中に産み出してきました。
また、自身は1976年に「冥想」という楽曲でデビューしました。芸名である「亜美」は、フランス語で「友人(ami-amie)」を意味するそうです。1997年にベーシスト小原礼さんと結婚。そして、今日の演奏はいつも通り、二人で楽曲を紡いでいきます。
音楽の力は、人々の心を豊かにする
「音楽(おと)のある東北」のオファーを差し上げた時、印象深いお話しを聞かせていただきました。
亜美さんにとって、2011年はデビュー35周年の年でした。誰もが未来に希望を失いかけた東日本大震災の年です。大切な人を亡くした方や大事にだった家を失った方、そう、故郷が一瞬にして崩壊したのです。
それ故、これまで多くの出会いを生んできた東北の地を、歌で復興したいという気持ちに駆られていたそうです。
オープンエアの中庭に響き渡る透き通った声。歌の合間に丁々発止のようなご夫婦の会話。その中で、今日の青空、天まで届くかのように音楽は流れていきました。
ある曲では「過去を鎮める」、またある曲では「未来に語る」ものとなりました。
そして、まさしく今、代表曲である「マイ・ピュア・レディ」のイントロが流れ出しました。
~♬ ちょっと 走りすぎたかしら 風が吹いていったわ
やっぱり頭の上は ブルースカイ・・・
・・・あっ 気持ちが動いてる たった今 恋をしそう ♪~
マイ・ピュア・レディ~尾崎亜美~
やはり、音楽は素晴らしい。人の心を豊かにしてくれるから・・・。
(つづく)
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寄稿者 荒木伸泰(あらき・のぶやす) 株式会社キャピタルヴィレッジ 代表取締役