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「安積歴史博物館・福島県郡山市」・宇崎竜童 ~音楽(おと)のある東北~第12回 2014年10月25日

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 福島県郡山市は県中央部に位置します。仙台市に次ぐ東北地方二番目の人口が集まる街です。県都、福島市が北に位置するのに対し、東西南北の結節点でもあります。東日本大震災時にも、被災地への交通至便でもあり、最前線基地にもなりました。

 また、福島県は、東北本線が走る中央部を「中通り」、常磐線が走る海岸線を「浜通り」、そして、会津若松を貫く「会津岩代)」という3つの地域性を持っています。その地域ごとに公立高校の名門校があるという土地柄でもあります。

歴史を刻んできた建造物

安積歴史博物館(正面)
安積歴史博物館(正面)

 そして、ここ郡山で「音楽のある東北」は、二年目のラストコンサートを行なうこととなりました。郡山の名門、安積高校内にある安積歴史博物館が、その舞台です。安積高校の前身である旧県立福島尋常中学校本館として建てられたもの。1984年に安積高校の創立百周年記念事業として、博物館として生まれ変わりました。

 しかし、東日本大震災で内部の漆喰壁が崩れ落ちました。また、後年のたび重なる地震で、現在、修復の工事を行なっており、長期休館を余儀なくされています。

 建物としての魅力は、玄関ポーチの八角柱腰屋根や1・2階とも柱上方の飾り坂と装飾小壁を入れた軒蛇腹など。そして、講堂天井には、ローソク用シャンデリアが2つとりつけられてあります。

四十年のキャリアを全開にして・・・

安積歴史博物館講堂
安積歴史博物館講堂(ローソクのシャンデリア)

 その講堂を使わせていただくコンサートの主は、宇崎竜童さんです。宇崎さんと言えば、明治大学在籍時から音楽活動を始めました。そして、1973年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成。

 中でも、1975年の「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」がヒットしました。

♬ アンタあの娘の何なのさ ♪

というフレーズは、流行語になり、同名の映画も作られました。

 また、作曲家としても有名です。奥様の阿木煬子さんの作詞によるコンビによる楽曲は、一世を風靡しました。特に、山口百恵さんの全盛期に提供した曲の数々は、日本歌謡史に刻まれる名曲でもあります。

 そして、1998年にバンド活動は休止、ソロで活動をされています。

窓の外には、秋の東北の彩りが・・・

窓の外は赤がいっぱい
窓の外は赤がいっぱい、ガットギター一本で!

 さて、夕暮れが近づき、窓の外の木々の赤がライトアップされ、より強い朱色に変わりました。ロック調の曲あり、バラードあり。そして、竜童さんのMCが続き、まさしく、時間がプレイバックしていきました。

 ダウンタウン時代の曲や百恵さんの曲が次々に披露されます。

 お客さんも一緒に口ずさみ、気が付いてみると、既に時計は三時間を超えていました。あとでセットリストを見ると、何曲か抜けている!?

 しかし、誰もが満足したコンサートであったと今でも思い出します。

 下戸で知られる竜童さん、前日には、スタッフ全員、ラーメン屋さんで気合を入れたと聞きました。

 そして、郡山駅までお送りすると、

腹減ったなぁー、そばでも食っていくか!?

と、新幹線コンコースの立ち食い蕎麦屋に消えていきました。

 ビンテージジーンズにスカジャン、もうすぐ古稀を迎えるとは思えない若々しい姿を垣間見ました。

 ~♬ スーパースターを気取っているけど 何かが違うわ

   かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこばかり先ばしり・・・

   ・・・ロックンロール・ウィドウ いい加減にして 男はあなた一人じゃない ♪

 やはり、アーティストは、カッコいい!!

(つづく)

(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=33

(キャピタルヴィレッジのHPはこちらから) https://www.capital-village.co.jp/

寄稿者 荒木伸泰(あらき・のぶやす) 株式会社キャピタルヴィレッジ 代表取締役

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