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「赤ちゃん連れ」ホントに大変だわ!

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二十数年前のある日のこと

お客様のお部屋へご挨拶に行って帰って来た女将が発した言葉から、この物語は始まりました。


 家内によると、赤ちゃん連れのお客様は、たった1泊なのに海外旅行に行くのか?と思えるような大きなカバンを携え、中にはお子様の着替えのほかにいろいろなお子様用グッズが満載。中には、お子様用の椅子やビニールシートまでお持ちになる方もありました。他方、宿の側も高度成長期以降、団体旅行全盛期を経験してきたので、個人客それも赤ちゃん連れのお客様へのケアなど露ほども考えていませんでした。

 客室で赤ちゃんが座る場所もなく、赤ちゃんを抱っこしたり、おんぶひもでおんぶしたまま、お母様はお食事をなさっていらっしゃったり、赤ちゃんへの食事の提供もない状態でした。

なるほど、

これでは赤ちゃん連れの旅行は大変だ

 なんとかして差し上げようという事になりましたが、何をしたらいいのだろうという疑問にぶつかったのです。私たちは、バツイチ子連れ同士で40歳過ぎの再婚組。子育て経験など、とうに忘れています。これはもうお客様に伺うしかないと、赤ちゃん連れのお客様がいらっしゃる度に、女将はお部屋へご挨拶に伺いながら、赤ちゃん連れ旅行のご不便やご要望をお聞きしました。のみならず、お客様が持参された見たことの無い赤ちゃん用のグッズもお伺いして、購入したりもしました。当時は西松屋など地元になりませんでしたら、ネットで探して購入していたのです。

お客様が欲する「たね」・・・ママ安心プラン「すやすや」誕生!

 また私も、当時知人が子育てサイトを運営していたので、そちらのメーリングリストで赤ちゃん連れの旅行の際、宿にあると助かるサービスのご意見を募ってもらいました。ご宿泊のお客様のリアルなお声とネットで集めたアイデアをすり合わせ、そうして『ママ安心プラン「すやすや」』という赤ちゃんプランが出来上がりました。リリースすると大好評で、当時の子育て雑誌には一通り紹介され、TVや雑誌・新聞の取材もありました。そんな影響か、中には宿の食事会場で同じ社宅のママ同士や昔からの友人同士が子連れでばったり会って大歓声ということも何度かありました。公園で他のママから聞いたとか、ママ友の口コミの影響も大きかったのです。

 今にして思うのですが、女将が「SEEDS」を見つけ、インタビューやメーリングリストで「NEEDS」を抽出して商品化し、リリースしたとたん「WANTS」になった、とでも言うのでしょうか、マーケティングのストーリーのような状況でした。

赤ちゃんプランの専用ページは、以下のURLをご覧ください。

https://www.monya.co.jp/?fbclid=IwAR1PmfNP6ddAgb4VzSYXGoqCd2paHtFa3BEsezWF627TN4GWWTFqZE6Ok1s

(つづく)

寄稿者 高尾憲資(たかお・けんすけ) 季粋の宿 紋屋 代表取締役社長

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