東京山側の青梅市とあきる野市にて「THE12TH JAPAN OUTDOOR LEADERSHIP CONFERENCE 2024」(第12回ジャパンアウトドアリーダーシップカンファレンス)が6月18~20日の3日間で行われました。「西多摩から考える日本のアウトドアビジネスの未来」をテーマに掲げ、まさにこれからのインバウンドやアドベンチャートラベルにつながる3日間でした。そして、スペシャルゲストとしてアメリカの野外教育のレジェンドであるジャックさんも来日され貴重なお話を登壇してくださいました。
西多摩の特異な地域性
西多摩は東京都の郊外に位置しながら、その半分以上が国立公園に覆われている特異な地域です。しかし、人口減少や少子高齢化といった課題も抱えています。このような地域でカンファレンスが開催されたことには特別な意味がありました。
コロナ禍の影響とその後のインバウンド需要の増加
昨年、コロナ禍が一段落し、旅行者数が回復しました。観光地やイベントも活気を取り戻しつつあります。さらに「アドベンチャーツーリズム」という新しいビジネスチャンスを生み出しましたが、オーバーツーリズムによる環境負荷も問題となっていることから、国際的なアウトドア環境倫理プログラムLeave No Trace(LNT)の重要性が高まってきています。
環境倫理プログラム(LNT)と地域連携
2023年には青梅市とあきる野市が、NPO法人であるLeave No Trace Japanと連携し、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラムを提唱しました。SDGsが広く学ばれる時代において、環境と調和した野外教育や観光のあり方を地域全体で考える必要があります。
テーマ「西多摩から考える日本のアウトドアビジネスの未来」
今回のカンファレンスのテーマは「西多摩から考える日本のアウトドアビジネスの未来」でした。Wilderness Education Association Japanのカンファレンスとして、野外教育やアウトドアのビジネス面に焦点を当て、さまざまなワークショップが開催されました。東京都心部からの距離感と自然へのアクセスのしやすさなど、東京山側の自然の魅力は全国のアウトドアの野外教育者に大きな魅力を与えたでしょう。
西多摩の歴史とこれから
西多摩の歴史は、都市化と自然保護、観光のせめぎあいの歴史でした。この地域は都市の恩恵と痛みを受けつつ、都市と自然の融合に挑戦してきました。郊外という都市と自然の境目にある場所だからこそ、私たちの都市と自然との関係を考えさせられています。だからこそ、サステナブルをモットーに考えるアドベンチャートラベルが重要となってきます。
アドベンチャートラベルと地域活性化
静かに縮小しつつある地域において、アドベンチャートラベルやアウトドアビジネスが果たす地域活性化の役割は大きいです。東京山側の事例を通じて、日本全体にとっても重要なテーマになるでしょう。
インバウンドの最大の課題「国際基準のガイド不足」
東京山側エリア含め、全国の自然の豊かなフィールドでインバウンドを受け入れるに当たり、大きな課題であるのが国際的な基準をもったガイド不足です。インバウンドのお客さんに事故が起きないようにそして起きてしまった場合も、安心して、良質なかつ、サステナブルなツアーを体験してもらうために具体的には以下のような資格が必要になります。
Leave No trace( 環境や地域へのインパクトを最小に)
Wilderness Education AssociationJapan(野外の活動においてのリスクマネジメント)
https://weaj.jp/wea%E3%81%A8%E3%81%AF/
Wilderness First Aid
(救急隊の到着が30分以上かかってしまうようなところでも適切な処置及び説明責任)
https://backcountryclassroom.jp/wmtc/
日本初!東京山側ガイド育成スクール10月開講
そんなガイド不足を解決するために東京山側DMCでは、以上のスキルやアドベンチャートラベルのガイドとして必要なスキルを得るためのガイド育成スクールを開校します。弊社ではガイド育成に必須であるテキストも作成中です。日本ではこのような基準でガイド育成は初の取り組みとなるでしょう。
日本の地域や歴史文化を伝承としてとても大きな役割となるアドベンチャートラベルはチームジャパンとして欧米諸国に魅力を伝えなくてはなりません。その為この産業に興味のある企業や一般の方もぜひ一緒に力を合わせ進みましょう。
ご連絡は、東京山側DMCのホームページ(mt-tokyo.com)からお願いいたします!
寄稿者 村野夏生(むらのなつみ) (一社)FOURTH WELLNESS