菅義偉前首相(衆議院議員)は6月19日、東京都千代田区の経団連会館で開かれた「日本旅行業協会(JATA)第68回定時総会懇親会」に出席した。観光業界の現状については、昨年のインバウンド市場がコロナ禍を超える約5兆3000億円まで成長し、2024年も旅行客数、消費額も過去最高の勢いとなっていることを説明。また、「訪日外国人は定住人口1人の消費を生み出すと言われ、単純計算だが昨年の2500万人のインバウンドでは人口減少するわが国に、日本人1人当たり年間消費額400万人分をもたらしたことになる」とインバウンドの効果の高さを示し、さらなる受け入れに向けた地方の隅々までの受け入れ整備の必要性を説いた。
菅前首相は観光業界の位置付けについて、「観光は成長戦略の柱、地方創生の切り札である。900万人が従事する極めて大事な産業の一つだ」と話した。
今後の注目すべきこととして万博について言及。「2025年に開かれる大阪・関西万博には2800万人、2027年に横浜で開かれるGREEN×EXPOでは1500万人の来場が見込まれる。さまざまな地方に行き、長く滞在したいという日本にしたいと考えており、これからも皆さんと勉強しながら取り組んでいきたい」と述べた。