日本旅行業協会(JATA)と韓国観光公社(KTO)は、JATAアウトバウンド促進協議会(JOTC)の東アジア部会における活動の一環として、団体旅行の販売コンテストを開催している。昨年に続き、「韓国絶品グルメ30選商品コンテスト」も継続実施するほか、伝統的な祭り「咸安(ハマン)落下ノリ」を日本市場向けに特別開放する。現在、11社1000人以上がエントリー。優秀なセールス担当者を表彰するとともに、コロナ禍後において好調に推移する韓国への海外旅行を促進する。
7月11日に行われた発表会では、JOTC韓国ワーキンググループの本多寿彦座長(日本旅行海外旅行推進部部長)は、円安や航空運賃の高騰などの現状を踏まえて「旅行会社の営業が、韓国を含む海外旅行の販売に消極的になっている」と現状を分析。コロナ禍で天井や研修旅行など経験不足であることも指摘しながら、「新たな施策を通して、マーケット全体を伸ばしていく」と、販売コンテストの成功に期待を示した。
団体施策は、2024年1月1日から2025年12月31日出発分までの修学旅行を含む受注型企画旅行と手配旅行が対象。営業担当者1人で10人以上の団体旅行を2本以上送客することが条件で、全国を8エリアに分け、期間中に送客数が多い1~3位を表彰する。申し込み期限は24年10月31日まで。「すでに11社1000人以上がエントリーしている」と本多座長。
「韓国絶品グルメ30選商品コンテスト」を継続
また、昨年に実施した「韓国絶品グルメ30選商品コンテスト」を継続開催。2019年に制定された韓国絶品グルメ30選の素材を活用して、地方の魅力と食をアピールする。商品の高付加価値化を図り、販売単価のアップを目指す。
KTOの金観美日本地域センター長は、韓国人の予約が日本人より早期化していることを紹介しながら、「1月~6月の訪韓日本人は142万8000人と、年間での目標値330万人の半分に達していない」と、需要喚起に向けた協力を呼び掛けた。
祭り「咸安(ハマン)落下ノリ」を特別開放
このほか、10月31日には、慶尚南道で開かれる伝統的な祭り「咸安(ハマン)落下ノリ」を日本市場向けに特別実施することを発表。JOTC韓国ワーキンググループに所属する旅行会社向けに600席が用意されている。金観美日本地域センター長は「外国人向けに開催することは初めて。日韓国交正常化60周年を迎える来年には、さらに取り組みを拡大したい」と述べた。
取材 ツーリズムメディアサービス編集部