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「軍艦島(端島)を忘れないで」~亡き妻に贈る 第9話~

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久しぶりにマンションから

長崎の花火(家内との思い出を)
長崎の花火(家内との思い出を)

港祭りの花火をベランダから眺めた

何年ぶりだろうか

家内と眺めた花火は遠い昔だけれど

夏の日に

軍艦島(端島)でも上がった花火は

家内も幼い日に一緒に見たはずである。

港祭りの花火に一緒行ったのは、

10年ほどまえだったが

端島の校庭に上がる花火のその明かりの中には

家内の姿もあったはずである

淡い青春の花火であったのかもしれない。

端島の花火(野母崎より望む)
端島の花火(野母崎より望む)

年に一度の島の激しい灯りの競演は

夏の行事のフィナーレであった。

そして、また祭りの後の静けさが漂う時間でもあった。

来年港祭りの花火を今度は一緒に

見にいきたいねと・・・・・・

そんな約束はもうできなくなった。

夏の日の思い出でも重ねて切なくもある、

マンションからの花火である。

この8月・・・・・・

 端島にて、家内の散骨をする。その前に思い出をしたためて・・・・・・

(つづく)

これまでの寄稿は、こちらから(https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=21)

寄稿者 坂本道徳(さかもと・どうとく) NPO法人 軍艦島を世界遺産にする会 理事長

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