7月28日(日)、福岡市で福岡市身体障害者福祉協会主催の「第41回 福岡市身体障害者福祉大会」が開催されました。
さまざまな障がいがある参加者約130名を前に「旅をあきらめない・夢をあきらめない」というテーマで講演をしました。
きっかけは昨年12月、九州運輸局のユニバーサルツーリズム推進事業で福岡でのモニターツアーに会長、事務局長が参加されたことからです。
〈九州運輸局ユニバーサルツーリズム推進事業〉
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車に同乗してさまざまなお話をしました。私が携わってきたバリアフリーツアーのことや、九州では嬉野、別府、鹿児島など温泉の入浴介助サービスがあること、以前と比べて障がいがあっても個人旅行がしやすい環境になりつつあることなどです。
私が驚いたのは、2人から「そんなことができるなんて、初めて聞いた」と言われ、福岡市のような大きな自治体の方でも観光庁が推進するユニバーサルツーリズムをご存知なかったことです。
そもそも協会主催の親睦旅行などの企画がないと、旅行には行けないとあきらめてしまっている会員が多いという話でした。
その時は「今日のような話は会員の皆さんにも聞いてもらいたい」と言っていただき、私も「機会をいただければ、皆さんが旅に行きたくなるようなワクワクする話をしますよ」とお別れしたのですが、この春ご連絡をいただき、今回の講演となりました。
当事者に届くことでユニバーサルツーリズムは動く
講演の冒頭で会場の皆さんに質問したのは「ユニバーサルツーリズムという言葉を今まで聞いたことある方手を挙げていただけますか」
手が挙がったのはわずか5名でした。
想定内ではあったので、60分話を聴いた後に皆さんが旅行に行きたくなったら幸いですという前振りで、以下についてお話しました。
・観光庁や全国の自治体が推進するユニバーサルツーリズムとは
・国内外で実施したバリアフリーツアーの様子
・全国に拡大しつつある「障害者・高齢者の旅行相談窓口」の機能の紹介
終了後、事務局の皆さんからは「面白かった」「旅行に行きたくなった」「個人でも行けることがわかった」などの感想をいただき、私の思いも少しは伝わりました。
今回は障がい者が対象でしたが、高齢者も同様です。
元気な時は夫婦や家族、旅好きグループで国内外を旅行している層も、いざ病気や加齢に伴って足腰が不安になると旅に行く機会が減り、「障がいや高齢でも旅に行ける環境」があることに気付かぬまま旅を卒業してしまうのです。
観光庁、全国の自治体、ユニバーサルツーリズムに取組む団体の皆さん、受け入れ整備と同じくらい当事者の方々に伝えることもやっていきましょう!
余談ですが、会場となった福岡市市民福祉プラザの貸し出し用車いすの台数に目を奪われました。
旅をあきらめるなんてもったいない! さあ、皆さん旅に出掛けましょう!
オフィス・フチでは受け入れ側(地域)送り手側(旅行会社)、どちらに対してもユニバーサルツーリズム推進のアドバイスをいたします。
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寄稿者 渕山知弘(ふちやま・ともひろ)ユニバーサルツーリズム・アドバイザー / オフィス・フチ代表