ホテル業界での活用が進むスキマバイトサービス「タイミー」
「働きたい時間」と「働いて欲しい間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」。働き手は、働きたい案件に申し込むだけで、履歴書の提出や面接なしですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取れます。事業者は、求めるスキルや、来てほしい時間を最短1時間から設定するだけで、条件にあった働き手と自動的にマッチングできます。2024年9月現在、900万人の働き手と29.7万拠点でご利用いただいています。
タイミーを活用いただいているあらゆる業種・業界の中でも、特にホテル業界では活用が広がり(※1)、既存従業員の負担軽減やサービスクオリティの維持・向上、「売り止め」の削減など、ホテル業界の課題解消に寄与しています。
タイミーが制作する本寄稿記事では、タイミーのホテル専門チーム監修のもと、ホテル・旅館でのタイミーの活用事例や最新のトピックスを紹介していきます。今回は、宴会サービスに欠かせない存在である「配膳会」と「スキマバイト」に着目。それぞれの強みや特性を紹介します。
宴会サービスでは結婚式の介添スタッフ募集の事例も!活用ポジションの広がりが加速
11月から年末年始に向けて増える宴会需要。前回の記事でも宴会サービスでタイミーワーカーが活躍していることをご紹介しましたが、最近はポジションが一層広がり、例えば結婚式で新郎新婦に付き添い身の周りのお世話をする「介添スタッフ」も、タイミーで募集される事例が生まれています。都内のあるホテルでは、宴会サービスで勤務したワーカーにアンケート調査を行ったところ、「介添スタッフに興味がある。募集があれば働いてみたい」という回答が多く寄せられたことから、介添スタッフの募集をスタートしました。求人内に業務内容を細かく案内してミスマッチを防ぎ、最初はホテル社員のサポートを受けながら業務に対応。3回4回とリピート勤務するうちに概ねの業務を一人で対応できるようになり、貴重な戦力として活躍しているワーカーもいます。長期採用に繋げられる可能性もあると、ホテルから期待されるポジションです。
このほかにも、最近は宴会会場の設営、片付け業務でもスキマバイトの活躍が目立ちます。1日に複数の婚礼が予定されている場合、合間の転換は宴会サービススタッフが行うため人手が足りているものの、朝の会場設営や、宴会が終わってからの片付けが手薄になるという課題がありました。社員が早朝から準備をしたり残業して片付けたりすることもあるといいます。そこでスキマバイトを活用して準備・片付けの約2時間の人手を確保し、現場の負担を大きく軽減することに成功しました。
このように、宴会サービスにおいてスキマバイトの活躍シーンが広がってきたのは2024年の3月頃から。受け入れ体制ができてきたホテルが、さらに職種別、時間帯別に業務を細分化して「ここのポジションも任せてみよう」と広げる動きが加速しています。
配膳会とスキマバイト、それぞれの強みは?
宴会サービスに特化した調理・サービススタッフなどを派遣する「配膳会」は、ホテルの人材確保に欠かせない存在です。宴会サービススタッフの確保は配膳会に委託し、アルバイトは抱えないホテルも少なくありません。ホテル業界を支える配膳会とタイミーでは、どのような違いがあるのでしょうか。
こちらは、配膳会とスキマバイトを比較した一覧です。
働きにくる人や働きぶりに着目すると、配膳会は、指定の研修を受けた人が働きにくるため、働きぶりが安定していたり、中には全体の指揮をとる上級者も所属していたりと、宴会サービスを一通り配膳会に任せられる点が強みです。
一方タイミーは、経験者限定の募集にしたり、過去に働いた事業所からスキルが認定された「バッジ」保有者限定(※2)で募集をしたりすることで、スキル・経験のある人を募ることができます。また、間口を広げて未経験者を歓迎することで、新しい働き手との接点を作り、ホテル業界で働く人のすそのを広げられるところも特長です。
(※2)働き手のスキルや経験に応じて高時給の求人が届く「バッジ限定お仕事リクエスト」を開始
時間や時給の設定においては、配膳会は、あらかじめ決定したプランに則って派遣されるため、4時間など1日の勤務時間に制限があり、時給の設定は配膳会に委ねられます。タイミーは最短1時間から募集できるため、前述した宴会の準備や片付けなど、手薄になる特定の時間帯に人手を補い、負担軽減やサービスの安定に繋げられます。ゲストの人数変動や急なスタッフ欠員で突発的に人手が必要になった時にもすぐ募集できるため、「タイミーの存在が、いざと言う時に来てくれる、という安心感に繋がっている」という声をいただくことも増えてきました。
タイミーでは、ホテルの宴会サービスにおいて、ワーカーを取りまとめるディレクターの役割を担える人材を創出・育成することが、今後の課題の一つだと捉えています。ここ1年で研修会を重ね、一つひとつの業務に対応できる現場スタッフを確保できる状態に近づけることができました。今後はさらに前進し、現場の指揮を取れるワーカーを輩出することで、タイミーだけで宴会サービスのオペレーションを完結できるような状態を築き、ホテル業界の人材確保に一層貢献することを目指しています。
特定エリアでホテル業務経験者を増やす人材シェアの研修も進む
また、秋から年末年始にかけての繁忙期には、人材の取り合い状態になり、配膳会に頼みたくても頼めないこともあるといいます。そこで、ここ最近タイミーが取り組んでいるのは、特定のエリアでホテルのお仕事経験者を育む取り組みです。周辺のホテルが協力して研修会を開催して経験者を増やし、人材をシェアできる体制を構築。これにより、エリア全体の労働力を底上げし、ホテルの人手不足解消に繋げようとしています。北信越や東北エリアでは、本取り組みに向けて地域のホテルを集めた勉強会を開催する予定です。
「ホテルで働いてみたいけれど、自分にできるだろうかと不安に感じ、なかなか踏み出せない」という声をワーカーインタビューでよく耳にします。初心者・未経験者でも働ける求人募集や研修会の開催など、ホテルで働くことの間口を広げていくこと。そしてさらなるスキル向上や、宴会サービスのディレクターなどの上流ポジションでも活躍できる道筋を提供することが、スキマバイト(タイミー)だから実現できることではないでしょうか。配膳会とはまた違うスキマバイトの特性を活かして、これからもホテル業界の人材課題の解決に貢献できれば幸いです。
【寄稿者】
鈴木夢之進(すずき・ゆめのしん)㈱タイミー 事業戦略本部 市場開発グループ。リクルートスタッフィングを経て、2023年7月に株式会社タイミーに入社。人材派遣の知見を活かし、ホテル専門チームの一員として、ホテル業界の事業者への支援・サポートに従事している。
中山泰志(なかやま・たいし)㈱タイミー 事業戦略本部 市場開発グループ。(株)帝国ホテルを経て、2023年10月に(株)タイミーに入社。業界での経験を活かし、ホテル専門チームの一員として、ホテル業界の事業者への支援・サポートに従事している。