東京都は、「令和6年度誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業」の一環として、11月7日に行われたワークショップに続き、檜原村の払沢の滝と都民の森にて障害者等向けのトレッキングモニターツアーを11月22日に開催した。
※ 11月7日のワークショップの記事は、こちらから(https://tms-media.jp/posts/43468/)
まずは、払沢の滝へ
当日は、午前10時にJR武蔵五日市駅に集合。参加者は、都内の旅行会社やアクティビティ提供事業者、障害者と付き添いの方、事務局事業者を含め26名。専用小型バス2台(1台はリフト付)に乗車して、最初の目的地、払沢の滝に移動した。
払沢の滝は、檜原村にあり、日本の滝百選の一つ。北秋川の支流のセト沢にある4段の滝で、1段目の落差が26m、全段で合計60m。冬季になると結氷する。過去には全面氷結したこともあり、結氷する日を当てる「氷瀑クイズ」も有名だ。また、毎年8月中旬には滝祭りが催行され滝のライトアップが行われている。
一行は、リフト付バスの乗降方法などと説明を受け、貸切バスにて払沢の滝の駐車場に到着。ここから滝までは徒歩15分程度の距離。
持参したJINRIKI(車いすけん引装置)やHIPPO campe(アウトドア用車いす)を利用して、車いす利用者にトレッキング体験を提供。また、旅行会社などの参加者は、順番に車いすを押したり、引いたりの体験をいただき、実際に障害者のトレッキングを支援することを体感した。
そして、滝に到着すると、参加者の一人でもある㈱東京山側DMCの櫻澤さんによる自然体験のレクチャーを受けた。櫻澤さんは、「みちくさの達人サクちゃん」と呼ばれており、探求型自然学習の先駆者でもある。参加者は、障害者の方々と一緒に自然体験をすることを実践し、新たな発見があったようにも感じる。
檜原都民の森へ移動して・・・
続いて、東京の最西端「檜原都民の森」に移動し昼食。その後、ウッドチップが敷かれたセラピーロードを1時間ほど散策し、展望台まで移動した。払沢の滝と同様にJINRIKIとHIPPO campeを利用して、車いす利用者のトレッキングを支援。また、ここでは旅行会社などの参加者が交互に車いす乗車とそのけん引の体験をした。
檜原都民の森は、東京都環境局が設置する都民の森の一つ。都西端部の三頭山を区域に含み、奥多摩周遊道路沿いに位置する。自然に親しみ、森林や林業に対する理解を深めることを目的に設置された。駐車場に軽食やお土産などを販売する売店があり、そこから舗装された坂道を通常は徒歩にて森林館。そして、散策コースに上がる。森林館は、美しい映像や写真パネルで森の様子や森にすむ動植物の紹介。都民の森を楽しむための拠点である。今回のモニターツアーでは、障害のある方も参加することから、森林館まで小型バスを利用した。
トレッキング体験後に森林館に戻り、同行の富士見高原リゾートの課長、藤田然さんに同社のユニバーサルツーリズムの取り組みの講義を受け、参加者によるモニターツアーの意見交換会も行われた。
富士見高原リゾートは、「誰ひとり取り残さない」「誰とでも気軽に」を目標に、「誰とでも楽しめる場」を提供するため、物理的・社会的・経済的なバリアの軽減に努めている。そして、「行ける」「行きたい」「また行ける」というユニバーサルツーリズムを実践している。
天候にも恵まれ、実際に障害のある方が楽しむ様子を体感することで、コンテンツ開発する明るい兆しと意欲を感じることができ、無事モニターツアープログラムは終了した。
取材 TMS編集部