8月下旬のプレスリリースから早いもので、12月9日、和倉温泉「加賀屋」の専属歌劇団「レプラカン」の特別公演も千秋楽を迎えた。最終日も満席の観客は、レビューに魅了され盛会のうちに終了した。
*プレスリリース記事は、こちら(https://tms-media.jp/posts/36398/)
もどかしい日々を打開するために・・・
2024年元日に発生した能登半島地震は、石川県を代表する温泉地である和倉温泉の旅館ホテルの営業をいまだ休止している。また、9月には線状降水帯による豪雨の発生により、復興途上の町は、再び被害を被っている。
人の記憶は曖昧なものだ。被災直後は、テレビなどの報道によって、被害の甚大さが伝えられた。しかし、もうすぐ1年を経過するが、その今の姿は、なかなか映し出されない。一部を除いて、ほとんどの旅館ホテルが営業を再開できていない。
手探りで場所を探し、復興支援の灯りを!
そのような状況下、アサヒビールとJTB、加賀屋の3社が連携して、旅館の舞台で踊ることのできない「レプラカン」を復興支援の意味合いで、東京公演を計画したのが、今回のレビューだ。
10月11日を皮切りに、連続3か月、12回の公演が千秋楽を迎えた。
会場である竹芝のアトレシアター「SHAKOBA」は、令和時代の“社交場”を目指して2020年8月にオープン、さまざまな用途で利用できるホールやレンタルスペースである。
「SHAKOBA」のホームページは、こちら(https://shakoba.com)
この場所を、レプラカンのダンサーたちが、お客さまと触れ合うための場所として、加賀屋の社員の方々をはじめ、スタッフが見つけ出し、特別公演の実施にこぎつけたという。
手の届くところに、魅了されるレビューが・・・
和装で始まったレビューは、曲に合わせて、次々と衣装を変えていく。その回数、有に10回以上だ。時には、舞台を降り、お客さまの間を歌いながらすり抜けていく。また、アドリブでの会話が、舞台と客席を一体化していく。
踊ることができなくなったダンサーたちは、和倉温泉を離れ、生活の場を移していた。しかし、この特別公演によって、再度集結し、和倉温泉、ひいては能登半島の復活を願って、踊っている。そして、この場を共有するお客さま、一人ひとりが、大地震という災禍を風化させない決意を新たにした瞬間にもなった。
新しい年は、明るい未来を目指して・・・
観光は、平和産業である。世界に目を向けると戦乱によって、日々の暮らしを閉ざされた人々も少なくない。また、国内においても、異常気象などによって、住まう場所を失っている方々も多い。
和倉温泉、能登半島を忘れない。災禍を忘れることなく、明るい未来、新たな年を迎えるために、「レプラカン」のレビューは、大切なイベントとなった。
復興は道半ば、いや、始まったばかりだ。一日も早く、全面復興を望んで止まない。
なお、「2025年3月後半に、同じくSHAKOBAで再演されることが決まった。」と、加賀屋の方からお聞きした。インバウンドのナイトタイムエコノミーにも、鉄板コンテンツとして、活用されることを期待したい。
取材:TMS編集部