国内有数の観光地であり、外国人も数多く訪れる京都。2024年の訪日外国人が3686万人と過去最多を記録したこともあり、古都を満喫したいという海外からの人々があふれている。それだけに、まもなく盛りを迎える桜の季節は、花を眺めるのか、見物客を眺めるのかわからないくらいの混雑に遭遇する。
その一方、マイお花見スポットを持っている京都人も多いという。京都を知り尽くした観光通が教えるとっておきの桜の名所の一部を紹介しよう。
春の一日を電車とバスに揺られ、歩いて巡る桜旅 日本の歴史公園100選の勝龍寺城公園からスタート
京都府と京都市の連携による周遊観光「まるっと京都」のお花見コースの一つを取り上げる。京都駅から南側を巡る「京の桜、満喫ツアー」は、長岡京から伏見、そして八幡市を電車や徒歩、バスを乗り継いで桜を愛でる。

まず、長岡京市の勝龍寺城。この城は明智光秀の三女で、熱心なキリスト教徒(カトリック)、細川ガラシャゆかりの地。「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」との辞世の句とともに、悲惨な最期を遂げたその人である。ここに夫である細川忠興とガラシャの銅像が立っている。
城址がある勝龍寺城公園は「日本の歴史公園100選」の名園。桜の季節には城壁を背にソメイヨシノやシダレザクラが咲き誇り、ガラシャ夫人の悲劇の生涯に思いを馳せながら散策するとよい。
「源氏物語の庭」として名高い伏見の城南宮へ
次に向かったのが、伏見区の城南宮。平安京(794年)遷都に際し、国を守護するため都の南方に建立され、城南宮と仰がれた。ここは桜だけではなく、四季折々の花を楽しめるほか、紅葉の名所としても知られる。しだれ梅と椿祭りも開催される。

社殿を取り巻くように造られた庭園、神苑「楽水苑(らくすいえん)」は、源氏物語に描かれた80種余りの草木が植栽されており、「源氏物語の庭」として名高い。神苑は入園料800円が必要。
約1.4㌔のソメイヨシノのトンネルは圧巻 桜まつりも開催
最後は八幡市の淀川河川公園の背割堤だ。全長約1.4㌔に渡り続くソメイヨシノのトンネルは圧巻。桜吹雪の舞うなか、ユルリと散策してみてはどうだろう。3月22日から4月12日までの間の7日間程度、「背割堤桜まつり」が開かれる。こちらは運営協力金一人100円をお願いしている。

また、宇治川の川面から桜を眺めるクルーズ体験や手漕ぎボートで花見をすることもできる。
長岡京市 京都駅から長岡京駅 電車10分→勝龍寺城公園 徒歩12分。
伏見 長岡京駅から赤池 バス25分 赤池→城南宮 徒歩8分
八幡市 城南宮→竹田駅 徒歩19分→竹田駅から近鉄丹波橋駅 電車3分
→近鉄丹波橋駅から石清水八幡宮駅 電車12分→石清水八幡宮駅から淀川河川公園背割堤まで徒歩12分