信州伊那谷に位置する長野県駒ヶ根市は、食と酒、自然に恵まれた風光明媚な土地だ。天竜川が流れ、東西の彼方には南アルプスと中央アルプスの山並みが雄姿を見せる。また、開湯30周年を迎える早太郎温泉にも多くの人が訪れる。
ただ、観光という視点ではまだ知名度が低く、これから発展する可能性を秘めている。そんな駒ケ根をアピールする観光説明会が都内の銀座GINZAで開かれた。
提供されたのは、いずれも地元特産の食材を使った逸品ばかり。写真は中央上から時計回りに、ずずらんスモークチーズ、イナゴ、蜂の子、中段はあらびきスモークウインナー、早太郎野沢菜わさび、馬い一口燻製(馬肉)、五平餅、中沢おやき、柿つぶ。酒のつまみにも、ご飯にも合いそうだ。
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駒ケ根では、ごまを地域ブランドとして推進する「駒“(ごま)プロジェクト」を立ち上げた。輸入のごまが大半を占めるなかで、駒ケ根産のごまを広げる活動を展開。中央アルプスの伏流水、内陸性気候である土地柄からの寒暖差、そして晴天率が高さを活かして香りが高いごまが栽培でき、ドレッシングとして流通している。
ご当地グルメ 甘辛味のソースかつ丼 市内26軒が腕を競う
そして駒ケ根といえばソースかつ丼(写真はミニサイズ)。ご当地グルメの誕生は、昭和初期に都会で修業した人がUターンし地元で提供し始めたのがきっかけだという。かつ丼は玉子とじが一般的だが、ソースかつ丼は千切りキャベツのうえのロースかつに甘辛ソースを絡ませているのが特徴。有志による「駒ヶ根ソースかつ丼会」が作られ、規定に基づいたかつ丼の味を保っている。現在は26軒がソースかつ丼を食べさせてくれる。こちらも「職人本仕込かつ丼ソース」が販売されている。
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養命酒工場ではハーブのお酒やジン製造 工場見学も
お酒に触れよう。駒ケ根市には養命酒の工場が稼働している。健康増進のアルコール飲料として知られる養命酒だが、看板ブランドの養命酒のほかに、「夜のやすらぎハーブの恵み」(写真下)やマツを原料としたジン「香の森」と「香の雫」、リキュール「ざくろのお酒」なども製造している。
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「夜のやすらぎハーブの恵み」はクコやクロモジ、高麗人参など15種のハーブをブレンドしており、寝る前にリラックスできるお酒として売り込んでいる。養命酒製造の駒ケ根工場は予約不要、入場無料で工場見学ができる、また、隣接して体験型複合施設「くらすわの森」が2024年10月にオープンした。こちらはレストランや食品・雑貨販売、そして自然を満喫できる「散策の森」などがあり、食べてくつろいで楽しむことができる。
雪をいただいた山並みの画像のみ:駒ヶ根観光協会ライブラリー提供