ANAホールディングス(ANAHD)は2月25日に開催した取締役会で、77機の航空機発注を決定した。
インバウンド需要の拡大を見据え、コロナ禍で抑制していた航空機の更新や追加発注を進める。最新鋭機材の導入により持続的成長を目指し、環境負荷の低減にも取り組む。
既発注分と今回の発注を合わせると、2030年度時点のグループ全体の機材数は約320機、ボーイング787シリーズは約120機となる。低燃費機材の構成比は91%に達し、環境対策の強化につながる。
国際線では、アジア・北米間の需要増加や成田空港の再拡張を見据え、ボーイング787-9型機(GE社製エンジン搭載)を18機発注する。新造機の積極導入により成長領域と位置付ける国際線の基盤を強化し、2030年度の有効座席キロ(ASK)は2023年度比で約1.5倍となる見通し。
国内線では、日本で初めてエンブラエルE190-E2型機を20機(確定発注15機、オプション5機)発注。低燃費・低騒音の特性を活かし、運航コストの抑制と需給適合を図る。本機材は2028年度から導入予定している。
グループのLCCであるPeachは、運用機材の一部をエアバスA321neo型機10機とエアバスA321XLR型機3機へ更新する。
さらに、2020年2月25日発表のボーイング787-9型機のオプション5機、2019年1月29日発表のボーイング737-8型機のオプション10機の確定を決定した。
ANAホールディングスの芝田浩二社長は「今回発注の機材を活用し、国内線の収益性向上と成長領域である国際線の拡大につなげ、世界をリードするエアライングループとして持続的な成長を目指す」とコメントした。