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コミツー~その成果、天下茶屋や池田市のお話を!~

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 コミュニティ・ツーリズムは「地域の方たちが主役となるツーリズム」と、前回ニューヨーク・ハーレムの実例でご説明いたしました。

地元愛が体験コースを造る~天下茶屋編~

 今回は、その考えを基に「大阪あそ歩・天下茶屋コース」の取り組みで、より具体的にご説明したいと思います。このコースは、天下茶屋に住み、天下茶屋を愛し、地域に誇りを持つ、あるガイドさんが提案して完成をさせたコースになります。

https://www.osaka-asobo.jp/course/pdf/m/open/i/21?1740728236729

 まち歩きの訪問先は、天下茶屋の駅を基点としたジビエ料理店・あられ店・手書きの映画用の看板製作所などです。おおよそ観光には縁のない場所をガイドと一緒に訪ね歩きます。例えば、ジビエ料理店では実際に店主が狩猟してくるお話。また、あられ店では店主が一枚一枚丁寧にあられを焼き上げるお話。あられづくりに不可欠な天日干しをなぜ、天下茶屋で続けているか?天下茶屋は晴れの日が多い経験からこの地を選んだとか。 そして、映画の看板製作所では一枚の小さな写真を見て大看板に、というお話。そこには技のチカラが必要となるのです。手書き特有の良さと味わいがあるとか。

 とにかく、ガイドさんと店主の話に「まち」の多様性・面白さに引き込まれます。

身近な体験事例~大阪府池田市編~

 筆者は、大阪府池田市でも「いけだまち歩きシアター」という名前のまち歩きを企画しています。ガイドとして、実際に案内もいたしますが、地元地域の方ともコースづくりをします。例えば、とあるコースは主婦の方が提案して作ったもの。主婦目線で、普段買い物をしている商店街にある、気になるお店や行ってみたかった古民家を訪れたりして、店主からお話を聞くことが盛り込まれています。

 そのため、ガイドさんと下調べや事前に店主にご説明をして、何を話すか、伝えたいかを調整します。そうすると、店主もガイドもお互いにまちに新たな興味を持ちます。結果、作った人の気持ちが参加者にも伝わったり、専門的な店主の説明に聞き入ったりします。ある意味で、参加者も店主もわがまちの再認識をいたします。

池田市内の店主の方たち

国も勧める観光振興施策

 実は、観光庁も「オーバーツーリズム」抑制の観光推進策の一つとして、「地域住民と協働した観光振興」に着目し、助成金による取り組みの促進もしています。

観光庁のオーバーツーリズム対策資料

 さて、地元池田市の事例では、2024年11月のイベントでの展開で、まち歩きだけでない取り組みを実施しました。その内容は、地域の方が商店街での通りすがりの方を対象に火鉢を出し、昔ながらのお餅を焼いて振舞ったり、特技の生け花・茶道・体験を参加者と一緒にしたり、水引細工をしたりというもの。参加した方たちと地域の方たちが一緒に楽しい時間を共有しました。

池田市内の体験プログラムの一例

住民参加こそ、一番大切なこと~インバウンドへの広がりを~

 このように、地域の方たちが主役となってまちを案内したり体験したりすることが、実は観光コンテンツとして成長していきます。そして、地域の方たちも関心が高くなり、地域にも利益を還元する仕組みともなり得ます。

 また、池田市では、実際に市内に住むインドネシアの方をまち歩きに招き、市の文化や伝統・地域の良さを体験して触れていただきました。目論見としては、今後インドネシアの方が池田市に来訪の際には、市内に住む在インドネシアの方が母国語で、池田市を自信をもって案内することで新たなインバウンド誘致対策としてつながるのではないかと考えています。

インドネシアの方たちの和装姿

これまでの寄稿は、こちらから(https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=4866

寄稿者 梅阪雅雄 合同会社GO-ON 代表

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