10.おわりに~愚直に観光振興、リーダーたる東京23区
東日本大震災、新型コロナウイルスのまん延によって、日本の訪日外国人施策も停滞傾向にあった。しかし、コロナの5類移行によって、すべてが復活傾向になりつつある。
観光の「地域」「時期」の平準化は、大きな課題である。これまでは、大都市一極集中を回避するために地方都市への誘客拡大を目指してきた。しかし、訪日外国人のそのほとんどが、大都市、特に東京を訪れたいというニーズを持っている。地方都市同様に東京の大いなる田舎を地域住民とともに、いかに、観光コンテンツを創造するか、喫緊の課題としてチャレンジしなければならない。まだまだ、東京23区は飽和の状態まで達していない。
まさしく、東京23区は、官民挙げて、リーダーたる地域に育て上げていくことができれば、日本が真の観光立国として、諸外国から認められることになるだろう。
華やかなイベントだけでなく、愚直に着地型観光コンテンツを充実させることが、未来まで継続する観光都市として生き残っていく唯一の「道しるべ」ではないだろうか。
取材 中村 修 ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長