国土交通省関東運輸局は4月1日、東海汽船(東京都港区)に対し、船員法第101条第1項に基づく是正命令および海上運送法第19条第2項に基づく輸送の安全確保命令を発出した。
関東運輸局は2024年11月以降、同社および同社所有の船舶に対して立入検査を実施。その結果、労働時間超過や非常時に必要な操練の不備など複数の船員法違反を確認し、安全管理規程の不遵守も判明したことから、行政処分に踏み切った。
東海汽船は主に東京から伊豆諸島への定期航路を運航している。
立入検査では以下の問題点が確認された。
- 船員の労働時間が法定の上限を超過していた。
- 旅客船・高速船の乗組員に対する教育訓練が不十分だった。
- 非常時の対応を想定した操練が適切に実施されていなかった。
- 航海日誌の記録に不備があった。
- 安全管理規程が遵守されていなかった。
これらの問題は、安全運航に直接影響を及ぼす可能性があり、特に多くの旅客を輸送する事業者として重大な責任を負う東海汽船に対して、早急な改善を求めた。
このうち是正命令では、労働時間の上限順守や乗組員の適切な教育訓練の実施、航海日誌への正確な記録などを求め、30日以内の改善策報告を指示した。
また、輸送の安全確保命令では、経営トップや安全統括管理者の責任を指摘し、安全マネジメント体制の適正化を求めた。
関東運輸局は「安全確保のためには、企業の経営層が積極的に関与し、組織全体で改善に取り組む必要がある」と指摘。今後、東海汽船が全社的な改善策を早期に講じるよう指導監督を強化する。
また、同様の問題が他の海運事業者にもないか確認するため、立入検査の強化を検討している。