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伊予灘ものがたりは、海沿いをゆっくりと~予讃線下灘駅・愛媛県伊予市~ニッポンを歩こう025

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鉄道は、移動手段から観光目的に変わった。その代表例が、各地で運行されている観光列車だ。

JR四国はディーゼルカー王国と言われ、列車の電化率が低い。そのため、鉄路を走っているのは、ほとんどがディーゼルカーだ。国鉄時代からの車両も多く、廃車寸前のものを改造した列車が少なくない。

2014年、松山から八幡浜間を「伊予灘ものがたり」という二両編成の観光列車が走り始めた。せとうちの海沿いを走る旧線を走る四国初の観光列車だ。(なお、現在はグレードアップした三両編成の車両となっている)

そして、この伊予灘ものがたりの最大の観光スポットが、途中の下灘駅だ。本当に一番近いかは別にして、「海に一番近い駅」と銘打ち、長時間、列車は停車する。まさしく、駅自体を観光コンテンツ化しているのだ。

到着すると、乗客たちは車外に出て、必ず記念撮影をする。また、カップルが寄り添いながら撮影できるベンチも作られている。

さて、伊予灘ものがたりは、一日あたり上下4便が設定されている。その中でも、上りの第2便が下灘駅に到着する時刻は、瀬戸内海に夕陽が落ちるタイミングだ。SNS映えするため、多くの方が、その景色をアップしている。また、列車に乗らずとも時刻に合わせて、車でやって来る人も少なくない。

花盛りの観光列車、次なる課題は

いづこの観光列車も、車内設備はグリーン車のように華やかだ。そして、地方色豊かな特別料理を提供している。しかし、人気を博して予約が取りずらいものと集客に厳しい評価を受けているもの、明暗がはっきりしている。

現在、JR四国は3つの系統の観光列車を走らせている。JR九州「ななつ星」やJR東日本「四季島」、JR西日本「瑞風」など、乗車するのに抽選といった大人気列車も存在する。また、大手私鉄も観光列車に参入し始めている。

「憩う」「観る」「食す」といったコンテンツから脱却し、次なる仕掛けをだれがどこで行なうか、興味津々である。

(2016.04.12.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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