劇場やコンサートホールの運営を手がけるサントリーパブリシティサービス(東京都江東区)は、過去3年以内に日本を訪れた韓国、中国、台湾、アメリカ、イギリスの20~60代の男女のうち、劇場やコンサートホールを利用した人を中心に計750人を調査し、その8割超が訪日前の段階で「公演観賞」を旅行計画に含めていたことが分かった。
調査によると、劇場やコンサートホールを利用した回答者の81.2%が、日本訪問の目的の一つとして「公演観賞」をあげた。観光や食、ショッピングに並ぶ訪日動機として、文化施設が大きな役割を果たしていることを示す結果だとしている。
ただしこの数字は、調査対象者がもともと「クラシック公演鑑賞者」に限定されていることを前提としたもので、訪日外国人全体に対する割合ではない。
公演情報の入手手段としては、YouTubeや動画配信サービスの活用が全体の41.6%で最多となり、特に台湾や韓国で多く見られた。一方、アメリカやイギリスではインターネット検索、中国ではアーティストのSNSや友人からの紹介が主な情報源となっている。
鑑賞ジャンルについては、5カ国全体では「ミュージカル」が最も人気だった(36%)。ただし国別では違いもあり、中国では「オペラ」(55%)、台湾では「歌舞伎」(41%)、アメリカでは「ポップミュージック」(37%)が最多となった。「オーケストラ」や「バレエ」も特定の国で支持を集めている。
また、劇場やコンサートホールへの来訪を促進する要素として、「チケット購入方法の分かりやすさ」を挙げた人が全体の35.9%にのぼった。特にアメリカやイギリスでその傾向が強く、日本では海外と比べて購入手続きが煩雑だと感じる声があったという。「公演内容の魅力の発信」や「施設の多言語対応」なども重要視されている。