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残存? 解体? 東日本大震災 震災遺構12年の行方

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第2章 大槌町~旧大槌町役場~

窓ガラスがすべて割れて、残骸となった建物のそばにヒマワリの花、生きることの大切さが見える

 時計の針は、17時20分を指している。ここ旧大槌町役場では、当時の町長と町の職員40名が津波の犠牲となった。役場を残すか解体するか、大槌町では、様々な議論がなされたと記録されている。最終的には議長裁定で解体は決まった。

 三陸沿岸の市町村では、この「残すか、解体するか」の議論がたくさん出ていた。しかし、震災復興ツーリズムによる経済効果・観光観点という考え方は偏りがある。経済効果よりも後世に語り継ぐことの重要性の方が、大切ではないかと感じる。

 この日も数多くの視察者が、崩れ落ちそうな役場の姿を見るために訪れていた。実際にその場に立ち、見たモノ・コトを、自らがどう理解・消化していくか、まさしく、それが大切なことであり、大きな課題である。震災遺構が無くとも、きちんと後世に語り継いでいくことこそ、東日本大震災を経験した一人ひとりが、きちんと「つなぐ」こと、私たちの大切な使命ではないだろうか?

この日も視察者が絶えない、何を語り継ぐか、重要なことである

(撮影 2013年8月24日)

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