ソメイヨシノが終わると躑躅に季節となる。色とりどりの花が心を躍らせる。そして、都内有数の躑躅の名所が、ここ根津神社だ。その由緒は、特集『東京再発見』第20章で詳しく書かせていただいているので、合わせて、お読みいただきたい。
https://tms-media.jp/posts/28816/

根津神社のつつじ祭りは、文京区を代表する「花」を愛でる祭りの一つだ。4月一か月間開催される。昨年あたりからテレビ局各社もロケにやって来るようになった。そのため、かつての来訪客数が戻ってきている。コロナ禍中、屋台もなく、ひっそりと咲いていた姿から隔世の感がある。
昔は、つつじ苑に入るのも無料であった。しかし、今や入苑寄進料を取っている。躑躅を維持管理するためには、仕方がないことだと思う。
開苑前から長蛇の列
さて、つつじ苑は9時半に開く。その時刻の少し前に訪れたが、平日であるのに既に長蛇の列であった。週末は参道の外まで延びるという。そして、開苑すると真っ先に一番高い場所に赴きカメラを構える人が多い。人の写らない写真は、誰しも撮りたいものだから仕方ないこと。
一方、境内には、朝の早い外国人が群れをなしていた。そのほとんどは、つつじ苑に入らず下から躑躅を愛でている。彼らは、根津神社が入苑せずとも躑躅を体感できることをよく知っているようだ。また、根津神社は、裏参道からの景観がとても素晴らしい。こちらから神社に向かう人は少ない。しかし、ここは屋台が建ち並び、人や屋台が入らない写真を撮るには一苦労する。

「舞姫の間」の復元
テレビニュースで、森鴎外が『舞姫』を執筆した建物が6月末ごろに復元されると伝えていた。確認すると、ホームページにも、そのように記載があり、関係者もそのように答えていた。
「舞姫の間」があった鴎外荘は、台東区池之端で営業していたホテル。コロナ禍で残念ながら廃業したが、建物が根津神社に移築されることが決まった。そのため、鴎外ファンの間では、一日も早い復元が待ち望まれていた。
(詳細は、以下の記事をご覧いただきたい)
https://tms-media.jp/posts/22145/
境内の工事箇所を覗くと、建物の外枠はできあがり、内装に取り掛かっていた。まもなく、完成の日を迎える。
狙い目は、ラジオ体操の終了後
一時間ほど滞在しただろうか。神社を後にする時刻には、不忍通りから数多くの参拝客がやって来る。だんだんとお客様が増え、たぶん、つつじ苑は渋滞となることだろう。人が少ない時間にゆっくりと躑躅を愛でたいのであれば、狙い目はラジオ体操が終わった午前6時45分ごろがベストだ。
躑躅も満開、今週いっぱいがラストミニッツであろう。

(取材・撮影 2025年4月18日)
(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8
取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長


