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「富山=富山市」だけじゃない。暮らしがにじむディープな出会いを求めて

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ニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」に選ばれた富山市。再び注目を集めている富山市ガラス美術館をはじめ、市内には見どころも多く、旅先としての魅力にあふれた素敵なまちです。

しかし、実際に足を運んでみると、富山県の面白さは、富山市という一都市にとどまらないと感じます。地域ごとに異なる風土や文化が根付き、何よりそこに暮らす人びとの営み。その豊かさが印象的でした。

今回は、GrassFamily(弊社)が手がける新プロジェクト「Blue Family Project.」の準備を兼ねて昨冬に訪れた富山県内のスポットをご紹介します。暮らしににじむローカルの魅力を少しでもお伝えできましたら幸いです。

※「Blue Family Project.」とは

「都市部の“中学生”」×「友達や家族と旅行で行かないような“地域”」をつなぐことでという旅行のワクドキ&教育としての学びを兼ね備えた「エデュケーショナルツーリズム」事業を提供しています。

【高岡市】モメンタムファクトリー・Orii、かめ蔵

富山市から電車で20分ほどの高岡市。加賀前田家の城下町として栄えた歴史をもち、現在も金属工芸や鋳物といった伝統技術が色濃く残るまちです。

まず訪れたのは、金属着色を専門とする「モメンタムファクトリー・Orii」。工房の中には、職人の方が手仕事で仕上げた銅板作品がずらりと並び、重ねられた薬品や火入れによって生まれる色彩の深みに、ただただ見惚れるばかり。使われる技術は伝統的でありながら、空間の設えやプロダクトのたたずまいにはモダンな感覚もあって、工芸の“今”を体感させてくれました。

そんなOriiさんにすすめられて立ち寄ったのが、地元の居酒屋「かめ蔵」。Oriiさんが手がけた看板が出迎えてくれ、ご縁を感じました。富山湾で獲れた新鮮な魚介や、冷涼な気候と豊富な雪解け水で仕込んだ富山のおいしい地酒がそろう人気店。落ち着いた店内で、リラックスしながら富山の恵みをいただき、至福の時間を過ごしました。

【立山町】ヘルジアンウッド、土居邸母屋

次に向かったのは、立山連峰のふもとに広がる立山町。自然と人との距離が近いこの地にあるのが「ヘルジアンウッド」です。約10ヘクタールの広大な敷地に、ハーブ園、アロマ工房、レストラン、スパなどが点在する、まるで“村”のようなリトリート施設です。

三角屋根が特徴の全天候型のイベントスペース
三角屋根が特徴の全天候型のイベントスペース

その一角にあるサウナホテル「The Hive」も見学させていただきました。訪れた日はあいにくサウナ体験はできなかったのですが、雪積もる静かな森に佇むミニマルなデザインの建物の中で楽しむサウナ……。想像しただけでも格別で、静けさと洗練さが共存する空間が、身も心も芯から整えてくれるのだろうと感じました。

ヘルジアンウッドに2022年5月にオープンしたサウナホテル
ヘルジアンウッドに2022年5月にオープンしたサウナホテル

そして、近くのレストラン兼宿泊施設の「土居邸母屋」へも足を運びました。古い町家をリノベーションした空間はレンタルスペースとしての利用も可能で、地域住民と外からの来訪者が自然とつながるよう設計されています。とくに印象的だったのは、空間全体に流れる“余白”。押しつけることなく、ただそこに開かれている場所。地域との関係性を育む土台として、このような空間があることの意義を強く感じました。

【南砺市井波】瑞泉寺、NAT.BREW、蕎麦懐石 松屋、haiz coffee

井波は「木彫刻のまち」として知られるエリア。町の中心に鎮座する「井波別院 瑞泉寺」は、井波彫刻の発展に深く関わってきた由緒ある寺院です。町の随所に施された彫刻の美しさに目を奪われつつ、門前町の風情ある町並みを歩きました。

井波別院 瑞泉寺

まち歩きの途中で立ち寄ったのが、クラフトビール醸造所「NAT.BREW」。訪れた前日にちょうど「ジャパン・グレートビア・アワーズ2025」の4部門での受賞のご連絡があったとのことで、店内はどこか高揚した空気。地域の素材にこだわったビールは、ひと口ごとに土地の風味がにじみ出ていて、体験としても忘れがたいものでした。

さらに「蕎麦懐石 松屋」でいただいたカレーうどんは、出汁の香りがしっかりと立った心まであたたまる味。冬の静かな昼下がりにぴったりの一杯でした。 そして、モダンな佇まいのカフェ「haiz coffee」は、歴史的なまち並みと共存するお洒落な空間で、つい長居してしまいそうな心地よさでした。観光客らしき方々と地元の方らしき方々が一緒にくつろいでいる姿も素敵で、観光地としてつくられた場所ではなく、人の営みに根ざした“暮らし”の延長にこそ魅力がある。そんなことを再確認できた、心に残る時間でした。

【射水市】cafe uchikawa 六角堂

最後に訪れたのは、射水市にある「cafe uchikawa 六角堂」。内川沿いに建つこのカフェは、もともと薬屋だった建物をリノベーションしたユニークな空間です。

六角形の間取りがそのまま活かされていて、どこに座っても窓から内川の穏やかな流れを眺めることができます。船が静かに通り過ぎ、時折カモメが飛び交う風景の中で、丁寧に淹れられたコーヒーと季節のスイーツを味わう時間は、贅沢そのもの。

都市の時間とはまるで違う、“ただそこにある”という感覚に身を委ねる場所。何気ないひとときのなかに、豊かさが満ちていました。

おわりに。Blue Family Project. と、これからのこと

今回訪れた富山のまちは、いずれもTHE観光地的なスポットではありませんでしたが、それぞれに「ここで暮らす理由」があり、伝統に根ざしながらも新しい感性を取り入れ、まちを楽しみながら生きている。そんな人たちの営みを感じることができました。

株式会社 GrassFamilyでは、そんな“かっこいい大人たち”と出会うた7日間の未来探求スクール「Blue Family Project.」として形にしていこうとしています。ローカルの暮らしの延長線上にある体験を通じて新しい自分と出会う。かっこいい大人たちと出会うことで「こんな生き方もあるんだ!」と人生の幅が広がる。そんな機会をつくります。

25年夏休み実施を目指して、富山を舞台にしたプログラム企画を鋭意進行中です。公式サイトやSNSで随時お知らせしていきますので、気になる方はぜひフォローしてお待ちいただけますと幸いです。

GrassFamily公式サイト
https://grass-family.co.jp/

GrassFamily公式note
https://note.com/grass_family

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