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背が高いと通行困難!~高輪芝浦トンネル・東京都港区~ニッポンを歩こう037

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山手線30番目の駅「高輪ゲートウェイ」周辺は、数多くの歴史的な遺構が存在する。その代表例は、海岸線を土盛りした明治時代の築堤である。2025年に街が開かれ、その一部が披露された。新駅周辺の街は、2025年3月27日に本格的な鼓動が始まった。

これまで、田町と品川間は、広大な東海道線の車両基地。明治時代は海が迫っていた。しかし、現在は埋め立てられ、海の痕跡は失われつつある。そして、その名残が車両基地の下をくぐる「芝浦トンネル」。正式名称は「高輪架道橋」、長さ250mである。

かつて、この場所には、山側の泉岳寺方面から海へ注ぐ運河が流れていた。その跡をそのまま活用したのが、このトンネル。既に車両基地が運用されていたので、トンネルの高さが1.5mしかない。しかし、東西間を結ぶ最短距離であるため、タクシーの抜け道となっていた。屋根の行灯がトンネルの天井にぶつかり、その残骸が現場にひろがっている姿をよく見かける。また、近道ゆえ、人の行き来も激しく、背の高い人は腰をかがめている。

生まれるものと消え去るもの

2020年4月、高輪架道橋は車両が通行禁止、人間と自転車はそのままであった。しかし、2023年10月、これまで水路渠として使われていた場所に歩道も移された。高輪ゲートシティの光と影のように、現在は誰も通行できない空間となっている。将来的には、この近隣に車両が通行できるトンネルが作られる予定である。

全国各地に存在する「へぇー」と思うような景観、いつまでも残してもらいたいと思う反面、開発によって消え去るのことも、新しい時代を迎えるインフラ整備には必要なことだろう。

(2019.02.08.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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