【New!トップページ新着コメント欄追加】 学び・つながる観光産業メディア

観光地域づくり法人(DMO)と天王洲アイル#13 ~インターンシップが育む、天王洲アイルの観光まちづくり~

コメント

一般社団法人天王洲・キャナルサイド活性化協会は、観光地域づくり法人(DMO)として、天王洲アイルの観光促進に取り組んでいます。前回は、天王洲アイルにおける観光資源の見直しについて検討し、天王洲運河のプロジェクションマッピングと観光資源の連携について述べました。今回は、2022年より跡見学園女子大学観光コミュニティ学部観光デザイン学科の篠原ゼミの学生たちをインターンシップとして受け入れて取り組んでいる、天王洲アイルの観光地化について考察します。

天王洲アートクルーズ(左)、天王洲モビリティアートツアー
天王洲アートクルーズ(左)、天王洲モビリティアートツアー

天王洲アイルの観光まちづくり

天王洲アイルは、運河に囲まれた美しいロケーションを有し、近年、その魅力が再発見されつつあるまちです。オフィス街として高層ビルや飲食店が立ち並ぶ一方で、アートや文化の発信地としても広く認知されています。その地域の魅力をより多くの人々に伝えるために実施されているイベントが「天王洲キャナルフェス」です。

イベントでは、天王洲アイルの魅力を存分に楽しむことができ、パノラマの美しい景色を巡る東京港アートクルーズや、天王洲アイルに点在するパブリックアートをモビリティで巡るツアーなども運営されています。天王洲アイルでは、水辺とアートを活かした観光まちづくりを推進することにより、ビジネスだけではない、観光や体験で訪れる価値があるまちづくりを進めています。

アテンドステーション(左)、DX街巡りガイドアバターしおりさん(中)、天王洲アートクルーズ船
アテンドステーション(左)、DX街巡りガイドアバターしおりさん(中)、天王洲アートクルーズ船

観光まちづくりと産学連携

天王洲アイルの観光まちづくりでは、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部の篠原ゼミとパナソニックグループの産学連携により、観光DXのプロモーションに取り組んでいます。具体的な取り組みとしては、パナソニックグループが開発した「Smart Town Walker®」を活用し、アバターによる無人観光案内所をゼミ生が遠隔で応対する「アテンドステーション」や、クラウド型街巡りガイドサービスを利用した「アートツアー」や「アートクルーズ」があります。これらのツアーでは、アバターによる多言語(日・英・中)の解説に対応しています。

特に天王洲アートクルーズは、アバターのガイダンスとストーリーを語る学生のガイダンスをハイブリッドすることで、乗船者に深い感動を呼ぶクルーズになっています。また、クルーズとアート鑑賞を組み合わせることで、天王洲アイルに新たな観光の息吹を吹き込みました。産学連携による観光DXの活用は、「天王洲アイルの魅力」と「企業の技術」と「大学生の知見や活力」を掛け合わせることで、魅力的なコンテンツを生み出しています。

跡見学園女子大学観光コミュニティ学部篠原ゼミ生(左)、天王洲アートツアー篠原ゼミガイドチーム
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部篠原ゼミ生(左)、天王洲アートツアー篠原ゼミガイドチーム

天王洲キャナルフェスとインターンシップ

篠原ゼミの学生たちは、天王洲キャナルフェスにインターンとして毎回参加しています。観光を学ぶ学生たちは、イベントに携わることで、イベントに関する実践的な知識やスキルを習得します。また、イベント当日は、これまで準備してきたことが来場者にしっかりと伝わっていることを実感でき、多くの笑顔や感謝の言葉に触れられます。「楽しかった」「ありがとう」といった来場者の言葉からイベントの成功を感じ取るだけでなく、思わず感動がこみ上げてきます。

そして学生たちは、来場者との対話を通じて得られた意見を取り入れながら、新たな企画も加えることで、「アートクルーズ」などの観光商品をより魅力的なクルーズへと進化させてきました。また、地域住民や来場者との交流を通じて天王洲アイルへの理解を深め、地域の活性化にも貢献しています。インターンシップの経験は、イベントを通じた地域活性化について学ぶ貴重な機会であると同時に、天王洲アイルへの愛着や誇りを育むきっかけにもなっています。

天王洲キャナルフェス秋冬2024 キャナルイースト会場(左)、アイルしながわ会場
天王洲キャナルフェス秋冬2024 キャナルイースト会場(左)、アイルしながわ会場

地域の絆と天王洲イズムの継承

天王洲キャナルフェスは、学生たちの参加によって、若い世代の活力に満ちたイベントへと成長しました。そして、地域の人々に愛され続ける場所であることを目指し、開催されています。学生インターンシップを通じて、イベント活動が地域のブランド力向上につながり、観光地域づくりにおいても非常に重要であることを学びました。

天王洲キャナルフェスにおいて、大学2年生から4年生までの3年間、インターンシップに取り組んできた学生たちが、この春卒業を迎えました。今月、5月23日から開催される「天王洲キャナルフェス春夏」では、新たに2年生をインターンシップメンバーとして迎えます。これまでのインターンシップを通じて培われた“天王洲イズム”が、先輩から後輩へと受け継がれていくことを期待しています。最後に、天王洲アイルで学んだ卒業生たちの今後の活躍を、心から応援しています。

※アイキャッチは、「水辺とアートの街」 天王洲運河

寄稿者 三宅康之(みやけ・やすゆき) (一社)天王洲・キャナルサイド活性化協会 / 会長

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/