6月6日、全国からユニバーサルツーリズム推進に取り組む方々が万博に行くとお聞きしたので取材させていただきました。
この企画は、6月7日(土)姫路で開催される「日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワーク」の総会とフォーラムに合わせて前日に企画されました。午前10時30分、地下鉄御堂筋線の改札口近くに続々と参加者が集まり始めました。

私自身懐かしい顔が多く、再会を喜びました。

全員揃ったら地下鉄を乗り継いで万博会場へLet's GO! 一基しかないエレベーターはベビーカーや大きなスーツケースの旅行者などもいて待ちが生じるのでホームで一旦揃うのを待ちます。

主催者は新大阪始発の御堂筋線を把握しておられ、その入線に合わせて一斉に電車に乗り込みます。ここで気づくのは、簡易スロープを持った係員が1人もいないことです。なぜか?
ホームと車両に段差やすき間がないのでスロープは必要ないからです。

新大阪から11分(5駅)で乗り換えの本町駅。


万博来訪者の多くが乗り換える本町駅、通路に敷かれたサインと大勢の係員のおかげで迷うことは一切ありません。
サインから外れたところにあるエレベーターも探すことなく係員が声かけして誘導してくれました。

本町駅ではホームを3両目付近まで移動して車両に乗り込みます。降車駅となる夢洲駅のホームエレベーターがこの付近だからです。
※一部近鉄からの乗り入れ車両にはホームと車両間に段差、隙間が生じるためその時は係員が簡易スロープを用意するそうです。

21分(7駅)で夢洲駅へ。


ホームからコンコースへのエレベーターはベビーカーと車いすで渋滞となりました。公共交通を利用した車いすグループの旅行では、あらゆる場所でエレベーター待ちが生じます。駅には何基もエレベーターがないこと、中がそんなに広くないことが理由です。
車いすユーザーに関わらず障がい者を対象とした旅行では、極力分散する・集まらないという工夫でハード面のバリアをクリアすることもできます。今回はその待ちも考慮しゆったりとした行程でバリアをクリアしています。

夢洲駅を出たところで、会場内で車いすを押す、視覚障がい者の手引きをするサービスを提供しているLET'S EXPOの皆さんと合流しました。



LET' EXPOボランティアさんの誘導で、東ゲート一番右の優先入場口から入場します。気付けば時間は午後1時00分、参加者は日差しを避けるパラソルの下でお弁当からスタート。気温28℃でも大屋根リングの下やパラソルの下は海からの風が心地よく感じました。

昼食後、大阪ヘルスケアパビリオンの入場がツアーには組み込まれていて、係の方のご案内付きで3班に分かれて見学しました。


私はここで離団し、午後2時00分スタートの旅介TV大阪・関西万博オンラインツアーの配信の様子を取材しました。
LET'S EXPOでは、万博に行きたくてサポートがあれば行ける方には会場内サポートを提供していて、万博に行きたくても行けない方々にはパビリオンからのオンラインツアーを提供しています。
今日は「NTT PAVILION」からのライブ配信です。

MCを務める加藤つぐみさんが持つタブレットには、チャットを通じて全国の高齢者施設からメッセージが入ってきます。そのメッセージを拾いながら「〇〇苑の皆さ〜ん、観てますか〜!」とカメラを通じて話しかける、LIVE配信ならではのやり取りが、施設の食堂等に集って視聴する高齢者の楽しみになっているのです。

大阪・関西万博におけるユニバーサルツーリズム対応は、今後国内のユニバーサルツーリズム推進に必ずレガシーとして引き継がれると確信しています。
旅をあきらめるなんてもったいない! さあ、皆さん旅に出掛けましょう!
オフィス・フチでは受け入れ側(地域)送り手側(旅行会社)、どちらに対してもユニバーサルツーリズム推進のアドバイスをいたします。
https://officefuchi.amebaownd.com
寄稿者 渕山知弘(ふちやま・ともひろ)ユニバーサルツーリズム・アドバイザー / オフィス・フチ代表