笠智衆いそうな梅雨の荒川線
梅雨空の下を静かに走る都電荒川線。その車窓風景や揺れにどこか懐かしい昭和の気配を感じました。ふと浮かんだのが、笠智衆の姿。小津安二郎作品などで見せた寡黙で温かな庶民像が、荒川線の空気と重なりました。昭和の街角を今も残す沿線風景の中に、彼がそっと腰掛けていそうな気がしたのです。梅雨という季節が持つ湿り気も彼の持つしみじみとした存在感と重なる気がしました。
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