「海の柏崎(7月26日)」「川の長岡(8月2~3日)」「山の片貝(9月第2金土曜日)」を新潟三大花火と言う。しかし、新潟まつりのフィナーレを飾る「新潟花火」も劣らない素晴らしさである。長岡花火とほぼ同じ花火師が打ち上げを行なうため、この二つは日程が重ならない。
(注)片貝花火は「浅原神社」秋季例大祭(9月9~10日)奉納花火。日程固定から2024年に変更された。
新潟花火は越後線が信濃川を渡る辺りの河畔から上がる。そのため、市内のどこからでも見える。また、花火の音を聞いてから河川敷にやって来る人々も多い。
さて、信濃川の両岸は、「やすらぎ提」と呼ばれている。普段は散歩を楽しむ人々が多い広大な河川敷だ。しかし、この日はにわか宴会場と化す。8月第2週の日曜日は花火三昧の一日である。そして、川沿いのマンションの住人は、持ち寄った料理でホームパーティーを楽しむという。混雑知らずの特等席、うらやましい限りだ。
新潟県人は、誰もが花火好きと言われる。そのため、日帰りで花火鑑賞に遠征する人も少なくない。例えば、柏崎の花火、新潟駅から柏崎駅までは約100kmの距離である。これは、東京から熱海に花火を見に行くようなものだ。また、長岡花火に至っては、JR東日本が新潟・長岡間の臨時新幹線を運行するほど、夏の風物詩を特別態勢で臨んでいる。日本一の花火王国・新潟県、そのパワフルな行動力、恐ろしいほどエネルギッシュだ。
(2010.08.08.撮影)
(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8
取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長