黒部峡谷鉄道の終点、欅平駅のプラットフォームに降り立つ。その先を覗くとトンネルの先に線路が伸びている。ここから立山黒部アルペンルートの黒部ダムにつながっているのだ。現在、一般開放されていない。しかし、抽選で乗車できるルートとして、旅行業界内や鉄道ファンの間では有名である。
2015年、このルートの一部が一般開放された。欅平からトロッコ列車に乗り、竪坑といわれるエレベーターに乗り進む。高低差200mを一気に上がる。そこには、再びトロッコ列車が待っている。その先は、インクラインと言われる斜行ケーブルカー。そして、ダム湖まではトンネル内を走る専用バスとつながっている。
周遊ルートの始まりは、次なるステップ
2024年に一般開放予定であった。しかし、一部ルートの崩壊があり、運行が遅れている。このルートが運行されると黒部宇奈月温泉を中心に、多岐に渡る旅行コースを創り出すことができる。これまで立山黒部アルペンルートは、富山県側から長野県側 (もしくはその逆)へ通過観光のみであった。それが、途中から宇奈月温泉側に分岐するコース設定も選択できるようになる。そして、富山県内連泊コースが造成できれば、県内の経済効果は大幅に拡大する。それ故、周辺の観光施設の期待感が大きいのだ。一日も早い開通を望みたい。
ちなみに、一般公募された名前は、黒部宇奈月キャニオンルートである。
2002年大晦日、中島みゆきさんが、途中の黒部川第四発電所のトロッコ資材置き場で、「地上の星」を熱唱した。日本有数の山岳観光ルート、次なるステップは、あともう少しで始まる。
(2015.07.03.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長