ラベンダー栽培で有名となったファーム富田、開墾の歴史は1903年に始まる。富田徳馬氏の名字を冠したこのファームは、1976年5月の国鉄カレンダーに紹介された。その後、テレビドラマ「北の国から」で、富良野は一躍、誰もが一度訪れたい北海道最大級の観光地となった。
さて、徳馬氏の孫、富田忠雄氏は、1953年に富良野一帯のラベンダー栽培の先駆者である上田美一氏に出会う。そして、1958年より香料用のラベンダー栽培を始め、最盛期は1.2haまで拡げた。当時、富良野全体では、ラベンダー畑が230haあったと言われている。しかし、貿易自由化の影響を受け、経営環境が悪化した。そのため、1973年には近隣のラベンダー栽培農家は、ファーム富田のみとなった。
現在は、15haの農園の中にラベンダーをはじめ、多種の花々が咲いている。道内有数の観光地であることは変わりなく、最盛期ともなるとツアーバスで駐車場はいっぱいになる。
環大雪山エリア、ガーデン街道とも言われる新たな観光コンテンツ群、広域な地域振興は、楽しみが尽きない。
(2007.09.21.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長