文化庁は、奈良県明日香村にある国宝キトラ古墳の壁画「天文図」を、7月26日から期間限定で公開する。見学は事前申し込み制で、7月8日から第二次応募(追加募集)が始まった。受付は8月23日まで。
キトラ古墳の天井に描かれた「天文図」は、7世紀末から8世紀初頭にかけて制作されたとされる日本最古の本格的な天文図。中国・唐代の天文学の影響を受けており、北極星を中心に周囲に星座が配置された構図で、当時の天文学や宇宙観を伝える貴重な資料となっている。
図中には、二十八宿と呼ばれる中国伝来の星宿や、全天の星々の位置を示す多数の金箔が確認されており、日本に現存する天文図としては最古級であり、文化的・歴史的価値が極めて高く、世界的にも重要な古代天文資料とされる。
公開期間は8月24日まで。会場は国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区にある「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」内の保存管理施設。時間は午前9時30分から午後4時30分までで、8月6日と20日は閉室となる。見学は無料で、各日約340人の定員が設けられている。
応募は事務局ホームページまたは電話(070-1301-6315)で受け付けており、空きがある日時に限り当日受付も実施されるが、事前予約が推奨されている。