東京二期会の取材会で、東京・上野の東京文化会館大ホールで「くるみ割り人形とイオランタ」の最終リハーサル、ゲネプロを観賞した。
1960年生まれは、年に数回、バレエやオペラを見に行く。これまでの何回かの経験でオペラは、ちょっと合わないかなと思っているところに、今回の公演はオペラとバレエの融合とあって、飛びついた。

くるみ割り人形のバレエ公演は見たことがあったけど、イオランタは知らなかった。そのことについては、会場でもらったパンフレットのストーリー解説がとても役に立った。
舞台はバレエから始まり、暫くすると曲名は分からないけれど、有名な曲が演奏された。後で調べると「花のワルツ」という曲だった。知っている曲が出てくると嬉しくなるものだ。
主役の王女イオランタは盲目で、夢の場面では舞台の片隅に座っていて、バレエダンサー演じるイオランタが、夢の中で自由に踊っているという演出がよく分かった。
それからオペラが始まり、歌にも入り込めた。声楽家の技術はすごいものだ。マイクロフォンとスピーカーができる前の遺産なんかじゃなく、特別な才能だ。しかも、今回の公演ではロシア語で歌っているんだそう。
会場では日本語の字幕があり、歌詞を理解できるようになっている。一カ所だけ、ダスビダーニャと歌っているのが分かった気がした。
ゲネプロにも本番同様に「幕間(まくあい)」があったけど、ロビーの軽食コーナーは、明日の本番に向けグラスなどの用意を終えているものの、営業していなかった。上野駅のコンビニまで急ぎ、ロビーでワインを飲みながら第二幕を待った。
第二幕でイオランタに恋人ができ、目が見えるようになるクライマックスとカーテンコールの練習を見てから会場を出た。公演は7月18日18時開演を皮切りに、21日(月・祝)まで全4回上演される。
偶然にうえの夏まつり、灯ろう流し

午後7時過ぎの上野公園は、たくさんの人がそぞろ歩きしていた。不忍池に蓮を見に行くことにした。辨天堂は赤くライトアップされていて、参道に屋台が出ていた。灯ろう流しの看板を見つけて、何人もの坊さんとすれ違いながら、ボート乗り場から池に浮かぶ灯りを眺めていると、「関係者ですか」と声をかけられ、ボート乗り場からは追い出された。
不忍池で灯篭流しをやっているなんて知らなかった。正式には「流灯会(りゅうとうえ)」と言うそうだ。
そのまま池に沿って歩いていくと、池に突き出たテラスにはたくさんの風鈴が吊るされていた。3000個あるそうだ。風が吹くと一斉に鳴り、大きな音を立てた。7月11日から8月11日まで開かれている「うえの夏まつり」のイベントだった。

大きな蓮の葉と花越しに辨天堂を望んだ。この夏は都内の何カ所かで蓮を眺めたけど、水面が見えないほど池を埋め尽くす不忍池の蓮は圧巻で、都内では最強の蓮池だと確信した。
このあたりから池を囲むように屋台が連なっていた。屋台は夏まつり期間中の金土日祝日の営業で、木曜日のこの日はシートで覆われていた。
不忍池を半周し辨天堂まで戻ると、開いていた屋台で焼きそばとビールの夕飯にした。35缶500円は高いなと思った。
〇アクセス 家から電車で50分
〇滞在時間 3時間半