東京の奥座敷、高尾山――都心からわずか1時間でアクセスできるこの豊かな自然の宝庫は、年間300万人以上が訪れる屈指の人気を誇ります。 四季折々の美しい景観、山頂や登山道からの眺望、そして薬王院に代表される深い歴史と文化が魅力であり、昭和42年には「明治の森高尾国定公園」に指定され、東海自然歩道の起点となるなど、その自然環境保護の歴史と風致・景観が評価されてきました。 さらに、平成19年にはミシュランガイドで富士山と共に最高ランクの三ツ星を獲得し、令和2年には東京都で初めて日本遺産に認定されるなど、その価値は国内外で高く評価されています。
この高尾山を舞台に、今、「地域資源の最大化と豊かな社会創造」を目指す新たな取り組みが生まれています。それが、株式会社東京山側DMCが主催する「高尾山ハイキング例会」です。 今回、この画期的なイベントに参加し、「心身の再生」を科学的根拠に基づいた形で体験してきました。
【新たな山の楽しみ方】科学的根拠に基づいた「心身の再生」
今回の高尾山ハイキング例会は、単なる登山とは一線を画します。「心と体の健康に繋げるアクティビティを楽しみながら、高尾山の自然の中をゆっくり歩く」ことをテーマに掲げ、「より健やかで豊かな毎日を送っていただく」ことを目的とした、科学的根拠に基づいた新しい形のハイキングです。 ヘルスツーリズム事業やガイドに関心のある方々も歓迎されており、地域に根差した健康増進プログラムとしても注目されます。
集合場所は高尾599ミュージアム。朝8時半に集まった参加者たちは、まずは受付を済ませ、オリエンテーションで本日の行程と目的を確認しました。 その後、ハイキングに向けて、心と体を解き放つような心地よいストレッチとアクティビティが始まり、自然の中へと溶け込む準備を整えます。


午前9時、いよいよハイキングのスタートです。高尾599ミュージアムを出発し、清滝駅前へ。ケーブルカーで山の中腹へと上がり、そこから4号路へと進みます。新緑がまぶしい木々の間を、心地よいペースでゆっくりと歩き進めます。

参加して感じた「蘇る」ような感覚
実際に高尾山の豊かな自然の中で歩を進めるうちに、まさに「心身の再生」を実感する瞬間がありました。参加者の方々からは、以下のような具体的な体感が語られています。

- 「周りの参加者の方々との心地よい距離感を保ちながら歩けたことで、自分にとって多くの気づきがありました」。
- 「特に印象的だったのは、道中すれ違う人々が自然と『こんにちは』と挨拶を交わしてくれることです。こうした非日常のコミュニケーションが、心をとても温かくしてくれました。4号路はまるで、周りにエネルギーを発するような、明るいコミュニティイベントのような雰囲気がありましたね」。
- 「一方で、以前体験した6号路のように、沢が流れるような少し険しい道では、すれ違う人が少ない分、自分自身と向き合う静かな時間が流れます。途中から足元に集中するようになり、心地よい静寂の中で心や体の状態が整理されていくようでした」。 このように、コースによって異なる体験ができるのも高尾山の魅力だと感じました。
- 「ガイドの方々が植物の知識や豆知識をとても楽しそうに説明してくださるため、私たち参加者も新たな発見や学びを得ることができ、より一層ハイキングが豊かな時間となりました」。
- 「参加者の皆さんと語らいながら自然の中で過ごすことで、心身ともに深くリフレッシュできた特別な体験になりました」。
- 「心地よいペースで歩くうちに気分が晴れ、自然の中で視野が広がり、新しい世界が見えてきた気がします」。

澄み切った空気の中で、鳥のさえずりを聞き、木々の揺れる音に耳を傾ける。足元には苔むした岩や、可憐な山野草が顔をのぞかせます。都心からわずかな時間で、これほどまでに五感を刺激され、心が解き放たれる場所があることに改めて感動しました。まさに、日々の喧騒で凝り固まった心身が、高尾山の自然の力で徐々にほぐれていくのを感じられました。山頂への道のりでは、薬王院の歴史と文化に触れる機会もあり、心身の健康だけでなく、精神的な豊かさも得られる特別な体験でした。

地域創生を担う東京山側DMCのビジョン
この高尾山ハイキング例会を主催する株式会社東京山側DMCは、「地域資源の最大化と豊かな社会創造」をミッションに掲げ、日本の豊かな自然や文化を活用したプログラム開発を通じて、地域との協力関係を強化し地域課題解決に向けた活動をサポートしています。 彼らは、以下の事業を軸に、地域社会の課題解決や地域創生を促進しています。
- 探究型自然体験学習スクール事業
- アドベンチャートラベル事業
- マチヅクリ事業(地域創生コンサルティング)
- ウェルネス事業(企業研修、ヘルスツーリズム)
この高尾山ハイキング例会は、まさに彼らが推進する「ウェルネス事業」の一環であり、高尾山という地域資源を最大限に活用し、訪れる人々の心身の健康増進に貢献すると同時に、地域全体の活性化に繋がる重要な取り組みと言えるでしょう。主催者からは、「20代、30代の若い女性の参加が増えてきているのがとても嬉しい。ヘルスツーリズムやガイドに興味を持ち、自身もガイドになりたいと思ってもらえるような場になりつつある」という声も聞かれました。 これは、従来のヘルスツーリズムの概念を変え、より幅広い層に高尾山の魅力を発信していくという、東京山側DMCの意欲的なビジョンを示しています。ヘルスツーリズムの新たなモデルを築き、高尾山が「東京山側」の地域創生事業における中核拠点となる未来を予感させるイベントでした。
高尾山ウェルネスハイキング 開催概要
- 日時: 2025年9月15日(月・祝) 集合時間 8:30 / 終了時間 11:30予定
- 集合場所: 高尾599ミュージアム1階
- スケジュール:
- 08:00 〜 08:30 受付
- 08:30 〜 09:00 オリエンテーション、ストレッチ&アクティビティ
- 09:00 〜 11:30 ハイキング
- 参加費: 1,000円/1人(当日現金払い)
- ※食事代とケーブル・リフト代(利用される場合)は、各自負担
- 参加資格: 高尾山ハイキングに支障のない健康な方、16歳以上の男女
- 主催: 株式会社東京山側DMC
- お問い合わせ:info@fwness.com
高尾山でのこのウェルネスハイキングは、私たちに「心身の再生」という特別な体験をもたらしてくれるだけでなく、地域資源を活用した持続可能な地域創生の姿を示してくれました。今後もこのような取り組みが、高尾山、ひいては「東京山側」エリアの魅力を高め、より多くの人々を惹きつけることでしょう。