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知られざるトスカーナを日本へ、観光局がプロモーションイベント開催 観光素材の多様性強調

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トスカーナ州観光振興局はこのほど、在日イタリア大使館にて観光プロモーションイベントを開催した。持続可能な観光、地域資源の多様性、日本市場への新たな提案をテーマに、官民のキーパーソンが登壇。今後の方向性を語るとともに、「トスカーナ2050」構想の一端も明らかにした。

イベントにはトスカーナ州経済・観光担当州議会評議員レオナルド・マッラス氏をはじめ、観光振興局ディレクターのフランチェスコ・タピナッシ氏、プロダクト・マーケットおよびビジネス開発担当のダニエラ・ブッリーニ氏らが登壇し、日本市場に向けた具体的な戦略と地域の観光資源を紹介した。

タピナッシ氏は、日本人観光客がフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアに集中する現状に触れつつ、「もう一つのトスカーナ」のスローガンのもと知られざる魅力を紹介。歴史的遺産や温泉、自然景観に加え、アグリツーリズモ、職人文化、サイクリング、巡礼路などの体験型観光資源を広く提案した。また、ユネスコ世界遺産やエトルリア文明に関する資料を提示し、多層的な文化の奥行きを強調した。

特に強調されたのが「サステナビリティ」に関して。ブッリーニ氏は、森林面積がイタリア一を誇る自然環境と、それを活かしたエコツーリズム、スローツーリズムの推進に言及。トスカーナ州では環境保護に関する価値憲章を策定し、500以上の団体とともに持続可能な観光モデルの構築を進めている。これにはホスピタリティ分野における女性起業家の活躍も含まれ、地域住民との連携が強調されている。

また、議会主導の長期ビジョン「トスカーナ2050」についても言及し、ウィッコライ議員によると、この構想はEUの政策方針と連動し、人口減少や高齢化、気候変動といった社会課題に対し州としてどのように取り組むかを探るもの。具体的には、AIやバイオ技術の導入、医療・健康分野との連携、地域コミュニティとの接続強化などが盛り込まれているという。観光分野ではスローツーリズムの推進を図っており、マッラス氏は「観光の果たす役割は大きい」と強調。オーバーツーリズムに関しては、自然との接点を活かした体験型商品の強化により、観光客の集中を緩和する方向性が示された。

プレゼン終了後にはジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使が挨拶を行った。京都とフィレンツェの60周年を迎える姉妹都市提携や、学生交流を40年以上にわたり続ける群馬県との友好関係に触れながら、「イタリアと日本の経済、文化の結びつきをさらに強め、今後も新たな協力関係が構築されることを願っている」と期待感を示した。

情報提供 トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/news/detail/news-117835

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