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二度の火災にも負けずに~北九州小倉・旦過市場~ニッポンを歩こう169

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旦過市場(たんがいちば)は、北九州の台所と称される。神嶽川(かんたけがわ)の東側に位置し、アーケードを冠された商店街だ。かつて、北側入口には日本初の24時間営業のスーパーマーケット丸和があった。また、旦過とは、修行僧の雲水が宿泊する場所を指す。

最盛期には、200店舗以上が軒を連ねた。鮮魚・青果・精肉・惣菜などを扱う店が多く、郷土料理の「じんだ煮」や鯨肉を扱う店もある。そして、近年は、川と反対側裏手の「新旦過横丁」に飲食店が増えている。そのため。週末の夜には、多くの若者の姿を見る。

さて、市場の始まりは、大正時代初期、隣接する神嶽川から魚の荷揚げ場として成立する。その後、田川や中津方面からの野菜集積地となり、市場が形成される。昔ながらの木造建築物が密集し、映画のロケ地としても使われた。そして、川の上にせり出す建物は、その時代の繁栄を象徴している。

川の上にせり出した市場の裏側
川の上にせり出した市場の裏側

ここ数年、豪雨水害や市場内での火災が相次いだ。そのため、再整備計画が進められている。ビル建設が進むと、川へのせり出しも解消する。近代的な市場への変化は、古くからの趣きがなくなっていく。それは、一つの時代の終わりを告げるのかもしれない。

(2024.10.19.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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