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古都に似合いの公衆浴場~京都市・高瀬川界隈~ニッポンを歩こう170

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鴨川の五条大橋南東は、かつて、五条楽園と呼ばれた旧遊郭であった。旅館のような構造のお茶屋が存在した赤線地帯だ。1958年の売春防止法施行後、五条楽園と名を変える。当時はお茶屋84軒、置屋16軒、旅館15軒、バー・スタンド19軒で芸妓100人程度を擁していた。そして、2010年にお茶屋と置屋の経営者らが、売春防止法違反の容疑で逮捕され休業する。

五条楽園歌舞練場など、一般民家に混ざってお茶屋15軒、置屋4軒が長く残っていた。翌年、組合は解散するが、独特な唐破風屋根の京町家は、今でも一部が健在だ。

サウナーの聖地「梅湯」
サウナーの聖地「梅湯」

さて、この高瀬川が流れる場所は、七条通にかけて、一種独特の雰囲気を醸し出している。特に、サウナを併設する「梅湯」は、夕暮れになるとネオンサインも灯される。サウナを好む人々にとっての聖地だ。しかし、この梅湯は一時期廃業寸前となっていた。その後、若い人々が名乗りを上げ、再建された。また、近隣には反社会的団体の事務所があり、長い間、立ち入ることが憚れていた。

旧い街並みや路地、高瀬川沿いに唐破風作りの古い茶屋やインバウンド向けの宿泊施設も造られるようになった。つい最近立ち寄ってみると、高瀬川の上に床が築かれ、水辺で憩うスペースが作られていた。もうすぐ、新たな観光コンテンツとして焦点が当たり、また、多くの観光客が赴く場所に変貌するのであろう。

(2023.09.25.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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