大阪湾の人工島・舞洲にあるガーデンリゾートホテル「The Day Osaka」の庭園はこのほど、2025年度から施行された「地域生物多様性増進法」に基づき、自然共生サイトに認定された。自然環境の乏しかった埋立地で、生態系の再生と生物多様性の創出に取り組んできた点が評価されたもので、人工島の宿泊施設の庭園としては全国初の認定となる。
自然共生サイトは、国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)で採択された世界目標「30by30」(2030年までに陸と海の30%を保全)の実現に向け、日本が創設した制度。国立公園のように国が区域を指定する仕組みとは異なり、地域や民間団体の取り組みによって「実際に自然が守られている場所」を公的に認定し、保全活動に光を当てる。認定地は「OECM(その他重要な保全手段)」として日本政府から国際的に報告され、「30by30」達成に貢献するもの。
これまで自然共生サイトは環境省による任意制度だったが、2025年度からは新法に基づき、環境省・農林水産省・国土交通省の三省が共同で認定を行う法制度に移行した。初年度の今回は全国201か所が選定され、大阪府内では11件が認定されている。
「The Day Osaka」の庭園では、クヌギ、コナラ、エノキといった在来の木々に加え、ススキ、ホタルブクロ、スミレなど多様な草花が育つ。敷地内の樹林、草地、水辺、花壇にはジョウビタキ、ウグイス、ツバメ、ヒヨドリなどの野鳥が訪れ、アオスジアゲハやギンヤンマ、カブトムシ、ニホンヤモリなどの昆虫・小動物も確認されている。人工島とは思えない自然環境が形成され、健全な生態系が維持されている点が高く評価された。

また、同ホテルでは伐採した枝や枯れ木を一部焚き火に活用するほか、枯れ葉を腐葉土に変える「バイオネスト」を設けるなど、敷地内で出た資源を循環させる工夫も続けている。自然再生と資源循環を両立させる取り組みは、国際的に掲げられる「ネイチャーポジティブ」(自然再生型社会)の実現にもつながるものとして注目されている。
同ホテルは「失われた自然を再び育む活動を通じ、ベイエリアでの自然共生に貢献したい」と話し、今回の認定を機に取り組みをさらに進める方針だ。