「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と発言したのは、今年憲政史上女性初の総理大臣に就任した高市早苗総理大臣でした。ワークライフバランスが社会的に浸透しかけたタイミングで出たこの発言は、話題をさらい、2025年の流行語大賞にもなりました。
そんな中、ある日「まさか」のタイミングでやってくるのが、「介護離職」です。いきなり明日から働き続ける事が出来なくなる。そして終わりがなかなか見えない。それが家族相手の介護なのでしょうか。「介護して介護して介護して介護して介護して」その苦しさは、体験した人にしかわからないとも言われてしまいます。ただ、防ごうと思えば防げるのが「介護」かもしれません。もし「介護」が始まるとしても、なるべく軽い状態であって欲しいと誰もが思うことでしょう。そのために必要なのが、「日々のコミュニケーション」と「いざとなった時のシミュレーション」になってきます。
まず、この先も高齢の家族が自力で暮らしていけるか。特に食事の手配が可能か。そして、受け答えが明瞭なのか。例えば認知症が進行するのは、人によって違います。また、いざとなったときに、高齢の家族自身が、どこに連絡すれば良いか分かっているか。もしくは、周囲の人々が連絡相談できる先があるか。これがあるか、無いかで介護の「出だし」「スタート」は大きく変わります。いきなり重度の介護が始まるのは、裏返すと長いことコミュニケーションが途絶えてしまい、近況に対応しきれなかったことが原因である場合が多いものです。
年末年始を迎えるにあたって、帰省のタイミングでもあります。ただ、さまざまなご都合もあり帰省されない方も増えています。実際に高齢の家族に会うからこそ防げる「未来」もあります。 介護離職をしそうになった場合の対処については、次回のコラムで詳しくお伝えします。
寄稿者 猪股透人(いのまた・はやと)シーキューブ㈱ https://c-cube.life/