大規模改修工事のため長期休館していた東京都江戸東京博物館(愛称・えどはく、東京都墨田区)が、2026年3月31日にリニューアルオープンする。約4年間に及んだ工事を経て、展示や空間演出を大幅に刷新し、江戸から東京へと続く歴史と文化を、より立体的に体感できる施設として再始動する。(写真は原寸大で再現される銀座を象徴する服部時計店)
リニューアルの大きな柱の一つが、大型模型の新設だ。これまで展示されていた朝野新聞社を史実に基づいて建て替え、明治期の銀座を象徴する服部時計店を原寸大で再現した。来館者はこの服部時計店の内部から、明治以降の東京を紹介する「東京ゾーン」へと進む構成となり、時代の転換を視覚的に理解できる導線を整えた。
館内外の空間デザインは、建築家の重松象平氏が監修した。3階の広場では、約4,000平方メートルに及ぶ天井面や柱面に収蔵資料などを投影するダイナミックな映像演出を導入するほか、館へのアプローチ部分にも展示への期待感を高める工作物や映像投影を新たに設ける。
西側アプローチでは、江戸時代へといざなう映像演出を施し、来館前から没入感を高める工夫を凝らした。
1993年の開館以来、江戸東京博物館は江戸東京の歴史と文化を振り返り、未来の都市と生活を考える拠点として親しまれてきた。今回のリニューアルにより、国内外の来館者に向け、東京の歩みをより分かりやすく、臨場感をもって発信する施設へと進化する。