【New!トップページ新着コメント欄追加】 学び・つながる観光産業メディア

兼業・副業、容認企業は56.4%に、中小58%・大企業33%で40代が最多

コメント

東京商工リサーチは12月26日、企業の兼業・副業制度の受容と実態に関するインターネットアンケートの調査結果を発表した。有効回答5,524社を集計・分析した。

兼業・副業を「容認している」企業は56.4%(3,117社)となり、半数を上回った。内訳は「積極的に認めている」11.7%(651社)、「条件付きで認めている」44.6%(2,466社)。「認めていない」は43.5%(2,407社)だった。

企業規模による開きが目立つ。資本金1億円未満(個人企業等を含む)の中小企業では58.5%(5,061社中2,961社)が制度を容認。一方、資本金1億円以上の大企業は33.6%(463社中156社)にとどまり、中小企業が大企業を24.9ポイント上回る結果となった。

制度を認める理由にも規模差が反映された。中小企業では「従業員の収入向上に寄与するため」が73.0%(3,694社)で最多となり、大企業の49.6%(230社)を大きく上回った。賃金補填や賃上げ分の不足を兼業・副業で補う意図、従業員の引き留め思惑が背景にある。

一方、大企業は「従業員のエンゲージメント向上のため」が42.7%(198社)で、中小企業の23.0%(1,164社)より高く、兼業・副業を企業競争力強化と従業員満足の両立戦略として捉える姿勢が相対的に強い。

兼業・副業をしている従業員の年齢層は、「40代」が全体で29.5%(2,081社中615社)と最多となった。大企業29.2%、中小企業29.5%とほぼ同水準で、住宅ローンや学資、生活費負担が重い世代が中心となる。次いで「30代」23.6%(493社)、「50代」21.8%(455社)と続いた。

制度を認めない理由は、規模に関わらず共通する傾向が強い。「本業のパフォーマンス低下が懸念される」は74.7%(1,680社/2,246社)で最多となり、大企業75.4%、中小企業74.7%とほぼ並ぶ。さらに「社内ルール・就業規則の整備が難しい」43.4%(976社)、「労働時間の通算管理が煩雑」40.6%(913社)、「情報漏洩・利益相反の懸念」28.7%(646社)など、運用体制の未整備と管理負荷の重さが上位に並んだ。

政府は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、多様なキャリア形成を後押ししているが、企業側には運用体制の整備と従業員の自己管理能力を含めた労使理解のすり合わせが引き続き課題として残る。

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/