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放置竹林を再生、熊本・黒川温泉を彩る物語「湯あかり」開催

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熊本県阿蘇郡南小国町・黒川温泉は12月20日、冬の風物詩となったライトアップイベント「湯あかり」の開催を初めた。点灯は2026年3月31日までの毎夜午後5時から9時30分。田の原川沿いを中心に、温泉街一帯が温かな竹灯籠の光に包まれる。地域の環境保全と観光振興を両立させた取り組みとして定着しており、今年も多くの来訪者を迎える。

放置竹林を活用 再生の物語として続く灯り

「湯あかり」は、阿蘇の里山で課題となっていた放置竹林の伐採・活用から生まれた。成長が早く他の樹木を枯らしてしまう竹を地域住民と旅館スタッフが伐り出し、灯籠として再利用する。高さ約2メートルの筒灯籠や、竹ひごを編み込んだ「毬灯籠」はすべて手づくり。機械製品にはないゆらぎのある光が、冬の澄んだ空気の中で幻想的な情景を描き出す。

田の原川と丸鈴橋 フォトスポットとしても人気

今季もメイン会場となる川端通りと丸鈴橋一帯では、川面から立ち上る湯けむりと灯りの共演が広がる。橋の上から見下ろす眺めは人気の撮影スポットで、訪れる人々の足を止めている。このほか、やまびこ旅館付近やべっちん館、黒川温泉バス停にも灯籠が並び、茅葺き屋根と毬灯籠が重なる情景は「日本の原風景のようだ」との声も聞かれる。積雪時には、雪の白と竹灯籠の橙色が織りなす幻想的なコントラストが訪問者を魅了する。

新グルメ&角打ちなど、夜の温泉街に新拠点

今シーズンは、温泉街の複合施設「Au Kurokawa」に「あか牛専門店 褐-aka-」と、県産豚にこだわる「豚皇(トンコウ)」が新たにオープン。いずれもコース料理を中心に、散策前後の食事ニーズに応える(事前予約制)。さらに、老舗・後藤酒店が角打ちコーナーを新設し、地酒やフルーツドリンクを気軽に楽しめる場として好評を集めている。12月20日にはクラフトビールなどを提供する小料理店「NOMU」も開業し、夜の滞在体験に新たな広がりをもたらしている。

開催概要

  • イベント名:黒川温泉 湯あかり
  • 期間:2025年12月20日~2026年3月31日
  • 点灯時間:17:00~21:30
  • 会場:丸鈴橋~川端通り、やまびこ旅館付近、べっちん館、黒川温泉バス停
  • 問い合わせ:黒川温泉観光旅館協同組合(TEL 0967-44-0076/9:00–17:00)

期間中は毎週土曜日にキッチンカー出店も予定されている。冬季は氷点下となる日もあるため、主催者は来訪者に「十分な防寒対策を」と呼びかけている。

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