ANAグループは、2026~2028年度を対象とする新たな中期経営戦略を策定した。2029年の成田空港拡張を最大の成長機会と位置付け、国際旅客事業と貨物事業を成長ドライバーに事業規模の拡大を図る。2030年度には営業利益3100億円、営業利益率10%の達成を目指す。
新たな中期経営戦略では、世界的に拡大が続く航空需要を背景に、「人とモノのつながりの拡大」と「ファン層の拡大」を通じて経済的価値と社会的価値の両立を図る方針を明確にした。特に2026~2028年度は増益基調を維持しながら変革を加速させ、成田空港拡張後の飛躍的成長に備える期間と位置付けている。
事業戦略の中核となる国際旅客事業では、2030年度までに事業規模を約1.3倍に拡大する。2028年までは羽田路線の拡充を優先し、成田空港拡張後は北米線やアジア線を中心にネットワークを強化する。加えて、国際線主力機であるボーイング787-9型機に新シートを導入し、商品力の向上を図る。貨物事業についても事業規模を1.3倍に拡大し、日本貨物航空との統合によるシナジー効果300億円の創出を通じ、アジアを代表するコンビネーションキャリアを目指す。
国内旅客事業は、新機材導入による需給適合の高度化や訪日需要の取り込みを進め、安定した収益基盤への再構築を図る。LCC事業のPeachでは、国際線比率を高め、関西空港を中心にインバウンド需要の獲得を強化する。
成長を支える投資として、今後5年間で過去最大となる約2.7兆円をDXや航空機に重点配分する。DXには約2700億円を投じ、全社員のデジタル活用を前提とした業務変革やAI活用を進め、生産性と収益力の向上を狙う。人材面では、グローバル人材やデジタル人材の育成・確保を進め、2030年度に付加価値生産性をコロナ前比で30%向上させる目標を掲げた。
業績目標としては、2028年度に営業利益2500億円と過去最高益を見込み、2030年度には営業利益3100億円の達成を目指す。成田空港拡張を成長の起点とし、国際ネットワークの強化を通じて、首都圏空港の競争力向上と訪日需要拡大への貢献を図る考えだ。
情報提供:トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/)