三月初旬、急な暖かさに誘われ、友人の個展を訪ねて銀座へ。昭和初期の情緒を纏う「奥野ビル」から一歩外へ出ると、細い路地に「赤」が飛び込んできました。それはコーラの配送車でした。重厚なモダニズム建築の傍らで、軽快にコーラの缶を補充する若者の姿は、街に春そのものを運び込んでいるかのようで、見ているこちらの心まで弾んできます。セピア色の春の街並みに映えるモダンな赤。何気ないけれど活気に満ちた一瞬を切り取り写真俳句にしました。この一台の配送車が、冬を連れ去り、賑やかな季節を連れてきてくれた。そんな気持ちにさせてくれる銀座の昼下がりでした。