東京・新宿区の妙正寺川流域の落合・中井エリアで、染色文化をテーマにした地域イベント「染の小道2026」が2月20日から22日までの3日間開かれた。2009年に始まり17回目を迎えたイベントで、天候にも恵まれ多くの人で賑わった。
落合・中井エリアには、大正中期以降、神田や浅草の染色業者が良質な水を求めて移転。戦後間もない頃の東京は京都や金沢に並ぶ染の三大産地として全国に名を馳せたという。
着物産業が下火となった今でも、染色関連の工房が点在している。「染の小道」は、江戸期以降、染色産業で発展してきた妙正寺川流域の歴史を地域に記憶するとともに、現代の暮らしの中に染色の技を取り入れる提案の場になっている。

会場では幅8メートルほどの妙正寺川に、反物を渡す「川のギャラリー」が来場者を迎えていた。かつて職人が川で反物を洗っていた風景を現代に重ねる演出で、色とりどりの染色作品が水辺の景観を彩っていた。
川に渡された反物は「百人染め」として、地域の小学校や大学、町会、公共・福祉施設などで、一反の白生地をみんなで染め上げたもので、約300メートル続いていた。
街中では、商店や工房の軒先にオリジナルの暖簾を掲げる「道のギャラリー」で染物の街を演出した。約100店舗の軒先に作家や職人が染め上げた暖簾がかかり、来場者は路地を歩きながら、多様な染色技法や表現に触れていた。
染色職人や暖簾作家によるワークショップも人気を集めていた。創業100年を超える染工房「染の里 おちあい」や小学校で、無地のバッグやTシャツに型染めに挑戦していた。