日本航空(JAL)グループは3月2日、長期成長戦略「JALグループ経営ビジョン2035」を策定したと発表した。訪日需要の拡大を背景に、国際線強化や地方送客を軸に航空と観光の連携を深める。
ビジョンでは、目指す社会像として「Sustainable Well-being Future(持続可能で心豊かな社会)」を掲げた。人や地域がつながり、移動を通じて社会全体の活力を高める役割を航空会社が担う姿を描く。
戦略の中核は、航空と非航空を組み合わせた事業構成の再編にある。国際線では機材大型化やネットワーク強化を進め、旺盛な訪日需要を取り込む。LCCを含めた供給拡大により、日本への送客力を高める。
収益面では、2030年度にEBIT(利払い前・税引前利益)3000億円、2035年度には3500億円以上の利益水準を目指す。
国内線では構造改革を進め、2028年度に利益率10%、EBIT600億円の達成を掲げた。訪日客の国内線利用拡大や運航効率化を進め、社会インフラとして持続可能なネットワークを維持する。
マイル事業や金融・コマース分野の拡大により、旅行前後の消費や地域との接点も広げる。航空利用にとどまらず、観光消費の拡大につなげる考えだ。
さらに、ドローンや空飛ぶクルマなど次世代モビリティ分野にも進出し、独自基盤「AMOP(次世代エアモビリティ運航プラットフォーム)」を通じて新たな移動サービスの創出を目指す。観光地や離島などでの活用も視野に入れる。
こうした長期戦略とあわせ、JALは新ブランドスローガン「Soaring Together」も発表した。「Soaring」は「舞い上がる、飛翔する」を意味し、顧客や地域とともに未来へ進む姿勢を示したもの。航空を起点に人や地域をつなぎ、観光と社会の発展に寄与する企業像を打ち出した。
移動を通じて人や地域の価値を引き出す存在を目指し、航空と観光を軸にした成長戦略を本格化させる。