NSGグループの学校法人国際総合学園・国際自然環境アウトドア専門学校(i-nac、 新潟県妙高市)は2月12日、妙高エリアで着地型旅行商品を展開する観光事業者「Myoko Connect」と連携し、学生によるインバウンド向けスノーシューハイキングツアーの企画・運営を実施した。アウトドアガイド学科(現アウトドアプロインストラクター学科)2年生のカリキュラムの一環として行われたもので、同校としてインバウンド対応可能なアウトドアガイド育成に取り組む初の実践事例とした。
近年、妙高エリアでは海外資本によるリゾート開発が進み、2028年に向けて地域の国際化が加速している。一方で、地域の自然・歴史・文化を英語で伝えられるローカルガイドの不足が課題となっている。観光庁の調査でも、インバウンド対応可能なガイド不足は全国的な課題とされ、特に自然・アドベンチャー分野での不足感が大きいと指摘されている。
今回の取り組みは「妙高の魅力を、妙高に暮らすガイドが英語で世界に伝える地域づくり」をビジョンに、旅行会社やDMCと協働して実施。学生はツアー企画の設計、インバウンドマーケティングの理解、英語でのガイディング、価格設定、顧客評価の取得までを一貫して体験する実践型プログラムとして取り組んだ。
ツアーは2月12日に戸隠神社奥社周辺をフィールドとして実施。参加者6人のうち4人がインバウンド旅行者で、スノーシューによる雪上ハイキングに加え、神話や杉並木の歴史、山岳信仰など日本文化を紹介するストーリーテリングを組み込んだ内容となった。価格は税込3,000円で、自然体験と歴史文化解説を組み合わせたプログラムとして企画された。
学生は単なる補助ではなく、旅行会社との企画ミーティング、プロモーション連携、事前のフィールドチェック、英語ガイディングの練習、当日のメイン・サブガイド運営、アンケート回収と分析までを担当。教員は安全管理のサポートとして同行したが、運営の主体は学生が担った。
ツアー後のアンケートでは「期待以上」が83%、「期待通り」が17%と高い満足度を記録。安全管理や英語ガイドの分かりやすさ、地域文化の解説についても高評価が寄せられた。参加者からは「若い学生たちと過ごせて楽しかった」「地元の歴史や文化の説明が印象的だった」などの声が寄せられた。
一方で、装備チェックの徹底や宗教・文化背景の深い説明、混合ツアーでのコミュニケーション設計、事業としてのコスト意識など、今後の課題も明確になった。学生からも「実際の仕事に近い経験だった」「安全管理の重要性を実感した」といった声が挙がり、実践的な学びの機会となった。
妙高は妙高戸隠連山国立公園を抱える自然豊かな地域であると同時に、国際的なマウンテンリゾートとしての発展も進むエリアだ。i-nacでは今後、地域文化を語れるガイド、インバウンド市場に対応できるガイド、フィールドの保全と利用を両立できるガイドの育成を、地域連携を通じて進めていく方針だ。今回の取り組みを第一歩として、産学連携による着地型観光コンテンツに対応したガイド育成プログラムを継続的に展開していく。