文化庁は3月17日、文化財建造物の修理に必要な資材の安定確保と技能継承を目的とする「ふるさと文化財の森」について、新たに4か所を設定すると発表した。設定書の交付式は3月24日、文化庁京都庁舎で行う。(写真は東光寺境内林)
「ふるさと文化財の森」は、国宝や重要文化財などの建造物を修理・保存するために必要な木材や檜皮、茅、漆などの資材を確保するための供給林・育成拠点。これらの資材を扱う技能者の育成や、文化財保護への理解促進も目的としている。社寺建築などでは、檜皮や茅といった自然素材を用いた屋根が多く、計画的な資材確保と技術の継承が課題となっている。
今回新たに設定されるのは、東光寺境内林(岐阜県山県市、4.3ヘクタール)、白川郷茅場(岐阜県白川村、5.7ヘクタール)、石山寺境内林(滋賀県大津市、106.4ヘクタール)、美山かやぶきの里茅場(京都府南丹市、1.2ヘクタール)の4か所。檜皮や茅など、伝統的建築に不可欠な資材の供給拠点として位置付ける。
檜皮はヒノキの樹皮を採取・加工した屋根材で、重ねて葺くことで曲線的な屋根を形成する。一方、茅はススキやヨシなどを束ねたもので、地域ごとに異なる葺き方が伝承されてきた。こうした伝統素材の確保は、文化財建造物の維持に直結する重要な要素となる。
今回の追加により、「ふるさと文化財の森」は全国で99か所となる。文化庁は今後も資材の安定供給と人材育成の両面から、文化財保護の基盤強化を進める。